先週5日の中国の有力紙・環球時報が、「ビンラディン後、中国はアメリカの敵になるか?」と題した社説を出していた。

「テロとの戦い」が終わりを迎え、アメリカがアラブ世界に注いでいた力を中国に向けてくるのではないかと恐れている。だが、その一方で、アメリカが中国の発展を阻もうとしても、中国の台頭を抑えることができる国はもはやないと、中国らしく強気の姿勢も見せている。

以下、要約して抜粋する。

  • 多くのアメリカ人の見解は、オサマ・ビンラディンの死去によって、アメリカの外交戦略の調整が不可避ということだ。しかも、メディアは増長する中国をどう扱うかという分析に入っている。こうした分析は、アメリカの方針が、ここ数十年で発展を成し遂げた中国を元に戻させようという狙いを持っていることを暗示しているのか。
  • 長年、中国人はいつかアメリカが中国の前に立ちふさがるのではないかと不安にさいなまれていた。これまではテロ戦争によって、中国はアメリカに“邪魔”されずに済んでいた。
  • だが、そうした見方は、合理的だが誇張しすぎでもある。10年以内に中国はアメリカのGDPを超えるが、これはアメリカの世界権威を脅かす主要因となるだろう。
  • アメリカにとっては、中国を刺激するより現状を維持したほうが合理的に思われる。
  • 現実的なアプローチは、米中間でより一層活気ある経済協力を広げることだろう。
  • 中国の台頭を止められる国はどこにもない。中国が必要としているものは、この急速な発展を維持する自信だ。
  • 中国の台頭は、アメリカとの摩擦を生むことは確実だ。この摩擦は双方に平和的な考え方をも持つことを求める。かつてキッシンジャーは、アメリカが中国を敵として扱うなら、中国は敵になるだろうと記した。中国からすれば、もし中国がアメリカを敵として扱うなら、アメリカは敵になるだろう。

ビンラディンの死去により、アメリカが東アジアにシフトしていくのではないかという見解は数々の識者が述べている。だが、中国はもはや自国の台頭に自信を持ち、アメリカを恐れてはいないようだ。(吉)

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