2022年6月号記事

その着こなしで大丈夫?

大人の身だしなみ講座

Vol.49

ファッションコラムニストの大ナギ勝氏に、間違いやすい着こなしや意外と知らないルールをお聞きします。
一生使える着こなしの教養を身につけましょう。

あなたも周囲も輝かせる! 着こなし術 (1)

トップ1%は自己演出のプロフェッショナル

株式会社ムービングオフィス 代表取締役

大ナギ 勝

大ナギ勝
(おおなぎ・まさる) 高級婦人服ブランド(株)レリアンに入社し、トップクラスのバイヤーや営業マンとして活躍。2013年、接客・販売の楽しさを伝えるべく独立。著書に『商品よりも「あと味」を先に売りなさい』(日本実業出版社)など。

「Manners maketh man──マナーが、紳士を、つくる」(*1)

2015年公開の映画「キングスマン」の劇中での、主人公のキメ台詞です。同作は、ロンドンの高級テーラー「キングスマン」を拠点にさまざまな悪と闘う最強スパイ集団の物語。メンバーには、いかなる時も「紳士」であることが要求されます。

キメ台詞の真意は、「紳士というのは血筋や家系のように、生まれながらの環境でなるものではない。いかにあるべきかを学び続けることで紳士になるのだ」というものです。

紳士的なマナーは、周囲の人たちを幸せな気分にするだけでなく、返される笑顔で自分自身のモチベーションも上がり、良好な人間関係が醸成されます。初対面でもお互いの目配り、気配り、心配りに意識が集中します。「ぜひまたお会いしたいひと」そう思われるか否か。マナー一つが、その先の人生をも左右しかねません。

(*1)中世の神学者、政治家、教育者のウィリアム・ホーマンの名言「礼節が、ひとを、作る」の転用。makethは14世紀ころの英語表記=makesと同じ意。