「営業」「接客販売」「マーケティング」で成果を挙げるプロの仕事術に迫り、豊かさを実現する智慧の生み出し方を紹介する(2015年2月号記事より再掲。内容や肩書きなどは当時のもの)。

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営業コンサルタント

永嶋 信晴

(ながしま・のぶはる)1959年、東京都生まれ。日本大学、早稲田大学卒業。地方銀行で10年間勤務し、個人や法人の新規開拓営業で活躍後、独立。ナガシマシティアート有限会社取締役社長。サービス、食品、病院、リフォームなどの営業代行やコンサルティングを手がける。著書に『新規開拓営業の教科書』(青月社)がある。

銀行マン時代に個人や法人向け営業をしていた経験を活かし、独立して「ビジネスの便利屋さん」と銘打ち、営業代行などを請け負っています。

銀行員として営業していた時は、1日中回れば3件くらいの見込み客が見つかりました。ところが、独立後は半年間、都内の商店街と名のつく場所を全部回っても、ほぼ門前払いでした。自分が営業の成果を出していると思っていたのですが、本当は会社の信用だったのです。

特に新しい会社やサービスは、「悪徳商法では」「騙される」など、警戒されてしまいます。

しかし、ある時、訪問した会社の社長と「出身校が同じ」ということで話が盛り上がり、契約に至ったことがありました。それをヒントに、自分の経歴やサービス内容を詳しく載せたチラシを事前に配るようにしました。すると、顧客の方から連絡が来るようになりました。

飛び込み営業では、まず相手の警戒感を解く工夫をすることが大切なのです。

営業でやってはいけないこと

商品を勧める際、営業マンは自分の売りたい理由でセールスしがちです。そうではなく、その商品がお客様にどんなメリットがあるのかを話せるようにしておく必要があります。パンフレットの受け売りや、上司に言われたことを言うだけでは売れません。まず自分自身が、その商品に自信を持ち、好きになることが大切です。

お客様のニーズは、お客様自身が教えてくれます。

例えば、お客様の持ち物を褒めると、不思議と自分が買った商品をけなすことがあります。そのけなすポイントに、お客様のニーズが隠れています。

また、営業マンとして商品知識が豊富になると、お客様の誤解や、よくご存知でない部分が分かるようになります。ここで、上から目線で教えるように話すと失敗します。逆に教えてもらう姿勢で、お客様に「勝った」と思ってもらえるように受け答えしたほうが好印象でしょう。

「技術」×「訪問件数」

営業の成績は、「技術」×「訪問件数」で決まります。飛び込み営業の実績が出ない時は、「訪問件数」が落ちて表情も暗く、第一印象も悪くなりがちです。

ただ、お客様には、今すぐ買ってもらうべき方と、長いスパンでお付き合いを続け、信頼関係を築いたほうが大きな取引ができる方がいます。ほとんどの人は、前者を追いかける狩猟型の営業だけになりがちです。

後者の農耕型の営業だと、お客様の状況の変化やニーズを知っているので、新商品を見た瞬間に売る相手が浮かぶようになるなど、後から楽になります。

また、なるべく見込み客を想定した上で訪問したほうがよいでしょう。例えば、弁護士や社会保険労務士などの資格があっても、営業力がなくて困っている人が多いと聞いていました。こういう方々には、私の「売る力」が役に立てると考えたのです。

既存の顧客の中にいる見込み客を見落としているケースも多いです。銀行だと、当座預金の取引はあっても融資がないお客様に、「融資は間に合っていますか」などと聞くことで、新たな取引につながることがあります。

学び、実践し、見直す

こうした発見は、失敗しても、次にどうしたら成功するかを考えて、挑戦し続ける中で得られました。

私も独立後、営業に行き詰まり、仕事が全くなくなった時期がありました。そこで、半年間営業をやめて、都内の主要な図書館をほぼ全部回り、ビジネス書を数百冊読み込みました。そのエッセンスを書き抜いたノートは10冊以上になります。

その上で、お客様とのやり取りや表情、話し方などを、映像を再生するように丁寧に思い出して、自分の営業の何がいけなかったか、どうすれば良かったかを考えるようにしたのです。

その答えは、日常生活で思いつくこともあり、夜中に目が覚めて書き留めることもありました。営業をその場限りにせず、成功者のやっていたことと照らし合わせて見直すことを繰り返す中で、営業がうまくいくようになりました。

お客様の心理をどこまで理解できるか、一つひとつの行動がお客様の役に立っているかどうかが、成果を決めるのです。(談)

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