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日本統治下の台湾で生まれ育った3人の男性が、大東亜戦争前に持っていた日本国籍を現在も保有していることの確認を求めた訴訟の判決が11日、東京地裁であり、市原義孝裁判長は「日本国籍を喪失した」と判断。請求を棄却しました。
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3人は、85歳から99歳。日本の統治下だった台湾で生まれ、日本国籍を取得し日本人として暮らしてきたにもかかわらず、日本が台湾の主権を放棄することなどを定めたサンフランシスコ平和条約や日華平和条約により、「本人の同意なしに日本国籍を剥奪されたのは違憲」と主張していました。
東京地裁は、日清講和条約により日本国籍を保有することになった台湾人とその子孫について、法令の適用や戸籍などの面で、日本本土に住む日本人とは異なる扱いを受けていたと指摘。「領土の変更に伴う国籍の変動は条約で定められるのが通例で、そうした事態は憲法自体が認めている」として訴えを退けました。
出廷した原告の一人で元日本陸軍所属の楊馥成(よう・ふくせい)さん(99)は「日本人として生まれ、日本の教育を受け、完全な日本人だと思ってきた。裁判を通じて過去の台湾人が日本に対して抱いていた心情を理解してほしい。非常に残念な判決。昔の上司や戦友に合わせる顔がない」と述べ、控訴する意向を示しています。
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