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九州大学はこのほど、大分県別府市内の温泉で1週間入浴を続けた人の腸内環境が変化し、痛風やぜんそくなどの疾病になるリスクが下がったとの中間報告を発表しました。

《詳細》

研究は、九州大都市研究センターや九大別府病院の医師らが、別府市などと共同で行っているもの。治験者40人に1週間、毎日温泉に入浴してもらい、腸内細菌の増減をチェック。日本人1万8000人の腸内の細菌環境のデータベースを活用し、かかりやすい病気のリスクを割り出します。

その結果、別府温泉の「単純温泉」に入った男性グループは痛風になるリスクが約17%、女性グループがぜんそくになるリスクが約31%も下がったといいます。「硫黄泉」に入った男性グループは、肝臓病になるリスクが約10%下がったといいます。

研究チームは治験者数をさらに増やして精度を上げ、国際的な学術誌に論文を発表し、別府市も研究結果を受けて観光客や長期滞在者の増加につなげたい考えです。

別府市に湧出する温泉については5月、地元に拠点を置くバイオテクノロジー企業が、「温泉内に生息する微生物が、腸内に入ると、新型コロナウィルス感染リスクを53%以上低減させる可能性がある」との調査結果を発表し、話題になりました。

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