© 2021「キネマの神様」製作委員会
2021年9月号記事
Movie
キネマの神様
"映画の神様"を信じ続けた男
- 【スタッフ】
- 監督:満田康弘
- 【キャスト】
- 出演:沢田研二、菅田将暉、永野芽郁、宮本信子
- 【配給等】
- 配給:松竹
- 【公開日】
- 2021年8月6日より全国ロードショー
© 2021「キネマの神様」製作委員会
【レビュー】
ギャンブルに溺れ、妻の淑子と娘の歩にも見放されたダメ親父のゴウがたった一つだけ愛してやまないもの。それは「映画」だった。
若き日のゴウは助監督として、映写技師のテラシンやスター女優の園子、撮影所近くの食堂の看板娘・淑子ら仲間たちに囲まれながら夢を追いかけていた。
しかし、自ら脚本を書いた初監督作品の撮影初日、ゴウは転落事故で大怪我をし、作品は幻となってしまう。
それから半世紀が経った2020年、幻の初監督作品「キネマの神様」の脚本が出てきたことで、ゴウの中で止まっていた夢が再び動き始める──。
人生はいつからだって再起できると伝える本作。夢やぶれ、自暴自棄な半生を過ごしてきたゴウだが、見捨てることなく半世紀にわたって支え続けた妻・淑子や家族、変わらぬ友情でゴウを何かと気にかけるテラシンなど、描かれる人の絆と温もりがコロナ禍の今こそ染みる。
自暴自棄だったゴウが、さまざまなきっかけや出来事から、徐々に優しさや愛を取り戻す姿が清々しい。
"映画の神様"を最後まで信じ続けた男とその家族に起きた、奇跡の物語。
ザ・リバティWeb シネマレビュー
「キネマの神様」
(星3.5。満点は5つ)