《ニュース》
2013年に、札幌市の道立高校で1年生の男子生徒が自殺した問題について、遺族が「不適切な指導による生徒の自殺」を防ぐための対応を示すよう、道教育委員会に要望しました。
《詳細》
遺族は2016年、「自殺したのは教員による一方的な叱責だった」として、北海道に約8400万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴していました。自殺した男子生徒が所属していた吹奏楽部でトラブルがあったものの、顧問教諭が事実確認をしないまま叱責したことが自殺の原因だったというものです。
一審は、自殺と指導の因果関係を認めずに終わりましたが、当初、道側が拒否していた、「学校が自殺後、生徒に実施したアンケート結果の提出」を命じる決定をしています。
また、この裁判の中で、部員の生徒が、「顧問教諭が、自殺した男子生徒に連絡網のメール以外を禁止していたこと」「部員に男子生徒との交流を禁止するなどの対応を行ったこと」を証言。さらに「男子生徒が自殺した翌日、他の部員の前で男子生徒の暴言を吐いていたこと」についても証言しています。
その後、札幌高裁は2020年11月、遺族の控訴を棄却。同時に、顧問教諭が「(自殺した)男子生徒が、別の部員の噂を流している」と一方的に叱責したのは、「指導が不適切なものだったと認められる」としており、「学校が組織的な対応を行うことで、不合理な指導は回避できた」と指摘しています。
遺族は今年7月21日に道教育委員会に提出した要望書で、再発防止策についてどのような方法で具体化するのか示すよう、要望しています。
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