アメリカで軍関係者によるUFO目撃情報が無視できない問題になっていることは、本欄で繰り返し紹介してきた。しかしこうした傾向はアメリカだけのものではない。中国においても、UFO目撃数が激増しているようだ。

6月4日付サウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙の記事によると、アメリカで使用されているUFOの正式名称である「UAP(Unidentified Aerial Phenomena)」に対し、人民解放軍は「UAC(Unidentified Air Condition)」という用語を使用しているという。

同記事では、武漢市を拠点とする人民解放軍の分析官は、近年、軍や民間からの急増するUAC目撃報告に圧倒されており、「防空上、深刻な課題となっている」と語っている。アメリカにはペンタゴン内部にUAPを研究する「UAPタスクフォース」があるが、人民解放軍にも正体不明の飛行物体を専門とするタスクフォースが存在するというのだ。

その報告・分析の方法には3段階ある。

  • 軍のレーダー基地、空軍パイロット、警察署、気象観測所、中国科学院の天文台で可能な限り多くの生データを収集する。
  • 地域の人民解放軍司令部にて予備分析がなされ、国家のデータベースに送られる。
  • 人民解放軍参謀本部は、AIを駆使して、その行動、発生頻度、空力設計、放射能、想定される設計や素材などの情報に基づき、「脅威指数」を指定する。

アメリカの空軍パイロットによる証言からも分かるように、UFOは地球のテクノロジーではありえない速度や動きを見せる。こうした目撃例は、中国の軍事基地でも記録されている。記事によると、唯一、公式に確認された情報は、1998年10月19日に河北省の軍の飛行場上空に現れた「足の短いキノコ」のようなUFOが、上空2000メートルまで上昇し、消えたというもの。しかし、それだけではなくまだ多くの情報が機密情報として封印されているようだ。

UFOの目撃事案は、世界の紛争地の上空など、きな臭い場所で多発している。南シナ海に欧米の軍艦が集結する予定であるが、この地域でも、UFO目撃数がさらに増えるのだろうか。

アメリカが2020年4月、本物とされる3本のUFO動画を公開した時には、河野太郎防衛相(当時)が「自衛隊がUFOに遭遇した際の対応の手順」の策定を"公約"したが、わが国も他人事ではなくなっている。(純)

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