震災の復興プランを描く「復興構想会議」で、宮城県の村井嘉浩知事が「道路や鉄道などの交通インフラに堤防の機能を付与する」提案を行ったことを、24日付の朝日新聞が報じている。
村井知事は、沿岸部の道路や鉄道を復旧させる際に、盛り土構造にして防波堤機能を併設させる案を出し、「交通インフラに堤防の機能を付与する」と主張。弊誌も4月上旬に被災地で取材を行ったが、村井知事の指摘が大事なものと感じる事実を目の当たりにした。
津波被害を受けた仙台空港のすぐ西側を南北に貫く「仙台東部道路」は、海岸線と平行に走る自動車専用道路で、震災では、この土手状の道路が周辺住民の避難場所となり230人の命を救った。また、道路が堤防の役割を果たし、津波の浸入をせき止め、道路の内陸側の多くの家屋や財産を守った。(※)
ほかにも、津波で被災した各地域では鉄筋コンクリート造りの建物だけが残っていたところがたくさんあった。つまり、今回の震災では、民主党政権が掲げた「コンクリートから人へ」というスローガンが否定され、「コンクリートが人を守る」ことが実証されたのである。
菅政権は、「被災住民の意向を尊重した復興」と耳ざわりのいい言葉を使うが、それが単なる個別へのバラマキや、「原状復帰」程度で終わってはいけない。これからの復興では、インフラをはじめ、原発や防潮堤の強化・再整備など、国家運営の視点で大規模な公共投資を行わなければならないものがたくさんある。「地域主権」と同じような責任回避の発想ではなく、政府が責任を持って主導的な役割を果たさなければいけない。(格)
※参考記事:「ザ・リバティ」6月号「コンクリートは人を守る」(4月30日発刊)
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