2021年5月号記事
Divine Economics
サプライサイド経済学の父 ラッファー博士
コロナ禍で流行する
ケインズ経済学はなぜ問題なのか(後編)
Part 10 特別番外編
コロナ禍で景気浮揚策としてケインズ経済理論に基づく財政出動が進行中で、政府は大きくなるばかり。
3回目の今回は、ケインズ経済学の問題を乗り越える秘策について語ってもらった。
(聞き手 長華子)
アーサー・B.ラッファー
1940年生まれ。イエール大学を卒業後、スタンフォード大学で博士号を取得。経済調査とコンサルティングのラッファー・アソシエーション会長。サプライサイド経済学の父。レーガノミクス、トランポノミクスを導いた。大統領選挙中よりトランプ氏の経済政策顧問を務める。著書に『増税が国を滅ぼす』(日経BP社)、『トランポノミクス』(幸福の科学出版)などがある。
──ラッファー博士は前回、政府は「政府の役割」を果たすべきである、しかし「役割以上の仕事をしてはならない」と言われました。でも政府は肥大化しがちです。ではどのようにして政府に制限を課すのがよいのでしょうか。
ラッファー博士(以下、ラ): 正しい質問をしましたね。政治家に決まった給料を支払うのではなく、成果によって支払う歩合制を導入するのです。
例えば3%の経済成長ができたら予定通りの給与を支払う。4%成長なら給料は2倍、5%なら3倍支払えばいい。しかし2%なら給与を払ってはだめです。1%なら悪い仕事をしたのですから、彼らが我々に支払う形にするのです(*)。
ビジネスマンと同じ仕組みにすべきですね。ビジネスの世界では、質の悪い商品をつくったら、利益が減るので、減給される。よく売れる良い商品をつくったら収益は上がり、給与も上がりますね。私は政府の役人が儲けるのは、私たちも同じ機会がある限り全く問題ないと思っていますよ。
──要するにインセンティブですね。
ラ: そうです。何をしても政府の役人の給料が同じというのは、本当に間違っています。成果主義にしないと、政治家は「ロックダウンだ! 私には経済を封鎖する権力がある!」と誇示するなど、個人の好みで命令を下し続けます。
それでは民主主義の崩壊になります。そして全ての自由の終わりになる。政治家から権力を取り去る唯一の方法は、歩合制を課す。しかもそれを憲法に規定することです。
(*)大川隆法総裁も、著書『幸福実現党宣言』で、「公務員の給料も税収に応じて変動するようにすべき」だと述べ、同趣旨の提言をしている。
歩合制にしないと民主主義の崩壊になる
経済は繁栄を生む奇跡
バイデン大統領の任期を乗り切らないといけない