日本のマスメディアは残念ながら、宗教の役割について、あまりに低い見識しか持っていない。24日付産経新聞のトップ記事が、そのことをさらけ出している。宗教に比較的親和性の高い産経にしてこのレベルなので、他の大手紙は推して知るべし。

同記事は、東日本大震災の被災地で仏教僧侶たちが奮闘している様子を伝えている。しかし、記者は僧侶たちの読経などを「多くの人にとって葬儀は故人との別れの大切な儀式だ」と表現しており、死者の魂を無事にあの世に送り届けるという宗教の第一義的な仕事を理解しているとは思えない。

だが、ある意味でその責任はメディア以上に、仏教僧侶たち自身の側にある。被災地の役に立ちたいという彼らの思いそのものは尊いとしても、同記事が伝える、被災地で読経をしている僧侶たちの言葉は、こんな内容だ。

「儀式ではあるけれども、お経を唱えさせてもらうことで少しでも慰めになれば」

「僧は『姿』で示すしかない。いまは祈りをささげることで、被災者に寄り添えれば」

「読経で肉親を失った悲しみがなくなるわけでもないが、気持ちの整理に少しだけでも寄与できれば」

僧侶自身が、死者の魂をあの世に送り届ける(引導を渡す)という読経の本義を忘れ去り、読経は「儀式」にすぎず「悲しみがなくなるわけでもない」と思っているなら、いっそ読経などやめ、被災者に寄り添うボランティアに専念してはどうか。人の死に際しての宗教者本来の仕事は、死者の魂に亡くなったことを納得させてあの世に旅立たせると共に、遺族に対してもそうした霊的真実を話して死別の悲しみから救うことである。

人の死に関する霊的真実は、大川隆法総裁の700冊以上に及ぶ著書群や講演に詳しく示されている。その内容に無知であっては、宗教者もメディアも知的怠惰と見識不足のそしりを免れず、本当の意味で死者の魂や遺族の心を救うこともできない。僧侶は仏教大学で教わった唯物論的な間違った仏教解釈を捨て、霊的真実を学んで宗教者本来の仕事をしてほしい。(司)

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