《ニュース》

カナダの複数の主要新聞が、一斉に一面を空白にするキャンペーンを行ったことが、波紋を呼んでいます。

《詳細》

同キャンペーンは、カナダのニュースメディア協会が中心となって行った、「消える見出し(Disappearing Headlines)」と呼ばれるもの。空白の下には、「ここにニュースがない場合はどうなるか想像してみてください」と書かれていました。

これは、グーグルやフェイスブックなどの大手IT企業に抗議したもの。各サービスは、新聞社の記事を「整理」したり、ユーザー同士に「シェア」させたりすることで成り立っている面が大きいです。さらに検索やSNSの画面には、各記事のタイトルや、本文の一部が表示され、それらの寄せ集めを、人々が新聞のように読んでいる面があります。

そうした大手IT企業は、利用者・サイトの閲覧数を増やすにつれ、オンライン広告収入を増やしてきました。しかし、広告出稿量のパイは増えないので、事実上、新聞社のニュースサイトから広告費を"奪う"形で発展してきた形になります。

一方、ニュースをつくっている側の新聞社は収入を減らし、カナダの地方紙が相次いで倒産しているといいます。各紙はカナダ政府に対して、「大手IT企業に、ニュース使用料を払わせるべきだ」と主張してきました。一方、大手IT各社は、自社サービスを通じて多くのユーザーを各新聞社のサイトに誘導しているとして、反発しています。

今回のキャンペーンでは、「このままではジャーナリズムが死ぬ」というメッセージとして、一面を空白にしました。

こうした動きは、ヨーロッパやオーストラリアなどでも昨今、にわかに強まっています。

《どう見るか》