《ニュース》

南米ペルーの保健当局はこのほど、中国製薬大手である中国医薬集団(シノファーム)の新型コロナウィルス感染症ワクチンの臨床実験を中止したと発表しました。世界への大量供給が予定されている中国製ワクチンの安全性が揺らぐとして、波紋を呼んでいます。

《詳細》

ペルーでは約1万2千人を対象に、中国製ワクチンの臨床実験の最終段階を実施していました。ところが、64歳の被験者に足の筋力低下がみられたとのこと。臨床実験に関わる研究者は「ワクチンが症状を引き起こした可能性は高くない」という見方を示したものの、「少しでも疑問がある場合は、このような措置(中止)を取る方が良い」としています。

このほかにも、中国製ワクチンの安全性と有効性が懸念されるケースが、各地で報告されています。

例えば、中国製薬大手である科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)のワクチンを接種していた、インド企業の請け負った建設プロジェクトに従事する中国従業員47人が新型コロナに感染したと、ウガンダの中国大使館が発表しています。

さらに、10月にブラジルで行われた同社製のワクチンの臨床実験が、対象者が深刻な不良反応で死亡したとして、一時中断されていました。中国側は、あくまでもワクチンの安全性とは無関係と主張しており、ブラジルの臨床実験中断は政治的判断だと主張しています。

《どう見るか》