社民党は党大会において分裂が決定的となり、事実上の分裂に向かう様子であると、各紙が報じている。福島瑞穂党首は残留するが、他の3人の国会議員は立憲民主党に合流するとみられている。
社民党の源流は、1945年11月に誕生した日本社会党だ。94年に連立政権において村山富市首相を輩出したが、96年には現在の社会民主党に改名した。
その後も、社民党からは民主党の結成の際に多くの議員が流出している。2009年に民主党政権が誕生すると、同党出身者が閣僚を歴任した。野党はその後も分裂・合併を繰り返し、現在は野党第一党の立憲民主党が中心となりつつあるが、「護憲」思想の源流をたどると社民党(旧社会党)に行きつく。
大川隆法・幸福の科学総裁は2013年7月の参院選の際、当時の野党の考え方を浮き彫りにする目的で、福島氏の潜在意識を探るべく、守護霊霊言を収録していた。霊言では、「キリスト教徒であることと政策の関係」「過去世との関係」など、「弱者にやさしい」リベラル思想の背景に明らかになった。
本欄では、社民党の政治思想の「社会福祉」「護憲」の背景にある思想を伺える発言に注目してみたい。
「金が貯まってるところから抜くだけ」
社民党は、消費増税に反対する一方、企業増税や富裕層増税を推進している。これについて福島氏守護霊は、「金が貯まってるところから抜くだけ」であり、「国と大企業と大金持ちから持ってきて、それで、ばら撒けばいい」と語った。
さらには、「私たちの頭には、もう国家なんてない」として、国民の年収の上限を「一千万円」と設定し、「国税庁と分配庁」が、社会保障費のバラマキを行えばよい、と主張。「経営者だとか、経営陣だとか、マネジメント層だとか、こんなものは要らない」として、個々人が零細企業をつくれば良いとした。
こうした「企業増税」や「富裕層増税」は、アメリカ大統領選で民主党のバイデン氏が訴えた政策でもある。しかし、これを実行すれば、企業が事業を大きくしたり、個人が大金持ちになるインセンティブは働かなくなる。豊かになれば国家に収奪される、となれば、皆が貧しくなって経済が発展しなくなることは目に見えている。
「弱者に優しい」ように見える福祉国家の理想が行きつく先は「重税国家」であり、「国民がやる気になれない国」であることが、浮き彫りになる。
「中国との密約」がある?
また、社民党は、旧社会党時代から「護憲」を主要政策としており、国防の強化などには断固反対してきた。旧社会党の村山富市氏が首相の座に就いた際、自衛隊を容認したことがその後の改名や分裂にも繋がっている。
社民党は、日本国憲法を守って自衛隊の手足を縛り、日米安保条約については軍事同盟の要素の薄い「日米平和友好条約」へ転換することを主張している。それを実行すれば、中国や北朝鮮にとっては大変好都合で、日本は簡単に占領されてしまいかねない。
福島氏守護霊は、「外国の軍隊が入ってきたらどうするのか」という問いに対して「私たちは管理職になりますから、占領されても大丈夫です」と主張。反原発を掲げる背景には、平和裏に日本の支配権を、中国共産党政府に移行するとの密約があることも語っていたのだ。
仙谷由人氏の霊、中国のウイグル弾圧に「ショック」
一方、幸福の科学の霊言収録の中で、旧社会党出身者で、「中国礼賛」の見方を見直した人物もいることが分かっている。それが、民主党政権で官房長官を務め、2018年に亡くなった仙谷由人氏だ。
死後数日で大川総裁のもとを訪れた仙谷氏の霊。その霊言を収録すると、中国がウイグル・チベット・内モンゴルなどで人権弾圧を行っていることについて「今、これはショックを受けているところではある」と語り、中国国民がデジタルで監視下に置かれていることは「私も理解不能の世界」と驚きの様子だった。
反米・護憲の姿勢をとっていたことについて仙谷氏は、戦後は「沖縄がアメリカに受けた被害」への同情心もあったことを踏まえ、「私らの時代の政治学も、どちらかと言えば、国家主権がない時代の政治学だったからね。『国家主権を持つ国として、どう考えて判断するか』みたいなの、教わってないからさ」と振り返った。
立憲民主党の枝野幸男氏に対しては、「あんまり筋が通っていない」「総理大臣になれるとは、私は思えない」とコメント。「憲法を守れ」と主張すれば票が取りやすいのは事実であるものの、「戦後教育ではそういうふうになっとったから、それを言うとるだけ」とした。
中国は尖閣諸島への進出を激化させており、武器使用も辞さない姿勢を明らかにしている。
尖閣有事の際に助けに来てくれるかどうかを、日本政府はたびたびアメリカ政府に確認している。
ただ、日米安保条約があり、尖閣が適用範囲内であると確認できたとしても、主権国家のはずの日本が何もしないなら、アメリカ政府が自国民に対して「尖閣を守りに行く」ことの必要性を説明できなくなる。自分の国を自分で守っているからこそ、同盟国の助けを借りることに正当性が生まれる。
日本が国家としてサバイバルするためにも、戦後の「半主権国家」状態から抜け出し、自助の精神でもって繁栄を実現していく必要がある。それを考える上の「反面教師」としても、両霊言は示唆に富むだろう。
【関連書籍】
『そして誰もいなくなった』
幸福の科学出版 大川隆法著
『旧民主党政権の「陰の総理」 仙谷由人の霊言』
幸福の科学出版 大川隆法著