12日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)などによれば、パキスタンが同国内で活動中のCIAスタッフなど335人の国外退去を求めているもようだ。両国関係をめぐっては、1月のCIA職員が民間人2人を射殺するという事件をきっかけに悪化していたが、今後の展開如何では、今回のパキスタン側の要請は「同盟関係が崩壊に近づいているという兆候」(NYT)ともなりかねない。

パキスタンはアフガン戦争開戦時からのアメリカの同盟国だが、無人偵察機での攻撃を含むCIAの国内での活動などをめぐって反米感情がかねてから高まっていたほか、パキスタンの諜報機関が歴史的にタリバンを支援してきた経緯もあり、良好とは言い難い関係が続いていた。

アフガンのカルザイ政権がタリバンとの和平交渉に乗り出す中で、隣国パキスタンの協力は地域の安定に不可欠といえる。また印パ核戦争の防止という点など、パキスタンとの同盟の意味は大きい。反米感情は高まっているが、関係の修復が望まれる。

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