中国各地で、バッタなどによる大規模な蝗害(こうがい)が発生している。このほど、新たに湖北省、雲南省でも被害が報道された。

大紀元の報道で、雲南省と湖北省で大量のバッタが発生している動画が撮影され、湖北省で、地面が大量のバッタで埋め尽くされている様子が紹介されている。このバッタは、サバクトビバッタではなく、中国原生のものとみられている。

6日付本欄で、香港に近い広西チワン族自治区桂林市全州県や東北の吉林省、黒竜江省での被害を紹介していた。各地で今、バッタが発生・増殖しているようだ。

折しも、中国南西部では6月から大雨が続き、洪水や土砂災害、農地が冠水するなどの被災が相次いでいる。コロナに洪水、そしてバッタの襲来が重なれば、農業生産に未曽有の被害がもたらされかねない。

食料不足への備え

中国政府も、食料生産の維持に躍起になっている。

四川省成都市の農村農林局は「食糧生産用地」の確保のため、農家に、果樹栽培をやめて稲作に切りかえることを推奨。応じた農家には、一畝あたりに3000元(約4万5000円)の補助金を支払うことになっている。湖北省でも同様の対応が始まっている。

ちょうど、米中は貿易戦争の真っただ中だ。中国は6月、アメリカが香港をめぐる厳しい措置を行ったことなどを理由に、自国の企業に大豆などの輸入を減らすよう要請したばかりだ。また、新型コロナの影響とみられるが、南北アメリカ大陸からの食肉輸入も停止している。

世界的には、アフリカ東部からインド、南米でサバクトビバッタが大量発生し、農作物への被害が懸念されている。こうした地域の多くは、例年より降雨が多いことが見込まれ、繁殖が加速中。個体数が現在の8000倍になるとの予測もある。

さらに中国が食糧不足に追い込まれると、世界の穀物価格が高騰しかねない。

本誌では数号にわたり、新型コロナウィルスやバッタの影響で世界的に食料の生産が減り、日本にも食糧危機が到来することへの警鐘を鳴らしてきた。今こそ、この危機に備える必要があるだろう。

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