写真:Hung Chung Chih / Shutterstock.com

《本記事のポイント》

  • 中国の少なくとも3つの地域で、イナゴ被害が確認される
  • イナゴは7月には爆発的に増える可能性も
  • 中国で起きるバッタの被害は、日本にとって無関係ではない

サバクトビバッタの大群が中東やアフリカ、南アジアで猛威を振るう中、中国でも、違う種類と見られるイナゴが発生していると、中国のインターネット上で話題となっている。

イナゴの被害が確認された地域は、中国東北部の吉林省や黒竜江省に加え、南部の湖南省。黒竜江省はこのほど、「イナゴの予防強化に関する緊急通知」を発し、対策を促した。専門家は、今後気温が高くなると、イナゴの成長スピードが早まり、7月には被害が爆発的に広がる恐れがあると指摘する。

すでに雲南省は、サバクトビバッタの襲来に備え、駆除の技術を技術者に普及させるなどして力を入れてきた。そうした中、中国で自生したイナゴが繁殖する恐れが出ているのだ。

世界の脅威となっているサバクトビバッタはもともと、アラビア半島を襲ったサイクロンによって大発生した。中国の歴史でも、黄河が氾濫した後、大繁殖した例が繰り返し起きている。乾燥地帯と事情は異なるが、今回、湖南省を襲った大規模な豪雨のダメージを受けた植生において、イナゴが繁殖する可能性もあると考えられる。

イナゴ被害は日本にとって無関係ではない

中国政府は14億人の胃袋を満たすため、食糧の増産・備蓄を進めてきたが、それでもなお足りず、大豆の供給などを外国からの輸入に依存している。アメリカとの貿易戦争がし烈になっても、大豆の輸入を制限しづらいのはそのためだ。

また中国国内の一部地域では、サバクトビバッタの影響により、食料の買い溜めが相次いで起きた。毛沢東が1958年に進めた「大躍進政策」で3000万人以上が餓死したトラウマから、中国人は食糧危機に敏感に反応する面もある。

今後予想される最悪なケースは、中国で自生したイナゴと、サバクトビバッタの中国襲来のダブルパンチを受けることだ。サバクトビバッタの大群はインド中部に達し、モンスーン(雨季)により、まだまだ繁殖する可能性がある。

もし中国でバッタが大量発生し、穀物を食い荒らせば、他国からの輸入を増やし、国際価格に影響を与えるだろう。そうなれば、日本の食品価格の高騰も予想される。

つまり、中国での被害は、食料自給率が主要先進国で最低の日本にとって、無関係ではない、というわけだ。

日本を襲う食糧危機の可能性については、最新号の「ザ・リバティ」(2020年7月号)に詳述している。どこのメディアも報じていない、食糧危機のシミュレーションにも注目していただきたい。

(山本慧)

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