北朝鮮が昨年6月にキム・ヨンサム元鉄道相とムン・イルボン元財政相を処刑していたことが3日、明らかになった。

朝鮮日報によると、キム元鉄道相は、2004年に訪中を終え平壌へ戻る金正日総書記が乗った列車が竜川駅を通過する時間を外部へ漏らしたスパイ罪に問われ、ムン元財政相は、当時実務を担当していなかったにもかかわらず、パク・ナムギ元朝鮮労働党計画財政部長とともにデノミ(貨幣改革)の失敗の責任を取らされた。パク元部長は昨年4月に銃殺されている。

また、軍需工業省や第2経済委員会傘下の幹部約20人も昨年末に横領などの罪で粛清されたという。対北関係の消息筋の話として、「金正恩氏への権力世襲と、貨幣改革の失敗が重なった昨年初めから、平壌に『粛清の嵐』が吹き荒れている。金総書記が、権力世襲の邪魔になる人たちを自らの手で抹殺しているようだ」としている。

日本では、「失われた10年」や「失われた15年」と言われるような長期の不況を起こした日銀の三重野総裁(当時)でさえ、その罪を問われて処刑されることはない。北朝鮮の一党独裁体制の怖さが顕著に表れている。(吉)

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