CPACの最終日に登壇したトランプ大統領。写真:AP/アフロ。

2020年5月号記事

現地レポート

社会主義の台頭と戦うアメリカ

11月に大統領選を迎えるアメリカで2月、保守系の最大の政治イベントが開かれた。
現地から「アメリカの本音」をレポートする。

(編集部 長華子)

2月26日から29日にかけて、首都ワシントン近郊で、全米最大の保守団体「米国保守連合」の年次総会「CPAC2020」が開催された。開場前には長蛇の列ができ、各イベント会場は、各地から集まった共和党支持者でごった返していた。

今年のテーマとして掲げられたのは、「社会主義対アメリカ(Socialism vs AMERICA)」。左傾化する民主党を意識し、真正面から社会主義の悪との闘いを打ち出した。

CPACは、全米で減税、規制緩和、中絶反対など保守活動をしている団体や支持者が集まり、情報交換を行う。参加者は共和党の支持層であり、大統領選を迎える今年は参加者が昨年の2倍。全米から約1万9千人が集まり、各地に衛星中継された。

会場で目立っていたのは、若者たちが多いこと。黒人やヒスパニック系アメリカ人の参加者の姿も多く見られた。

最終日に登壇したトランプ大統領が「アメリカを社会主義にはさせない」と宣言すると、会場の聴衆は「USA! USA! USA!」と連呼。聴衆の念頭にあるのは、民主党支持者の左傾化の問題だ。

CPACのメイン会場の様子。トランプ大統領の演説には多くの人々が集まり、会場は熱気に包まれた。

次ページからのポイント

左傾化が進む民主党

反中で団結する支持者たち

ジョン・バチュラー氏インタビュー

モーガン・ゼガーズ氏インタビュー