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《本記事のポイント》
- 中国IT企業「シャオミ」が2020年に日本進出
- 低価格かつ高品質で世界4位のシェアを占めるが、情報漏えいの観点が懸念される
- 政府レベルでのセキュリティー強化と、自分の身は自分で守る意識が必要
中国IT企業「小米科技(Xiaomi、シャオミ)」が、2020年に日本進出することがほぼ確定した。
同社は、米アップルのアイフォーンにそっくりなスマートフォンを売り出してきた企業で、安さと高性能を売りにスマートフォンシェア世界4位にまで上りつめた。
インドではトップシェアを占め、欧州でもすでに5G対応スマホの販売を開始している。いよいよ日本に進出し、日本市場のおよそ半分を占めるアップルに対抗する構えだ。
懸念される情報漏えい
気がかりなのは、情報保護の観点だ。
たとえば、中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」による情報漏えいの危険性は本欄でも報じてきた。
アメリカの中央情報局(CIA)は、同社が人民解放軍などから資金提供を受けており、中国共産党の統制が効く企業である可能性を指摘。米政府はすでに、ファーウェイ、ZTE、ハイテラ・コミュニケーションズ、ハイクビジョン、ダーファ・テクノロジーの中国企業5社がつくった製品や部品を政府の情報システムで使用することを禁じ、国内の5G市場からも締め出しにかかっている。
シャオミ側は、「欧州で個人情報保護のルールを守ってきた実績があり、日本でもルールをしっかり守る」と述べているものの、中国共産党とのつながりが排除できない以上、懸念は残る。
政府レベルでサイバーセキュリティーを強化するとともに、消費者としても、「安ければいい」という考えから脱することが求められる。自分のプライバシーを自分で守ることが必要だ。
(片岡眞有子)
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