写真:Isaac Yeung / Shutterstock.com
《本記事のポイント》
- 100日を超えて続く香港デモは、「キリスト教精神」に支えられている
- 中国の歴史を振り返ると、宗教が政治体制を揺るがせてきた
- 表面的事象ではなく、デモの本質を注視すべき
「Sing Hallelujah To The Lord(シング・ハレルヤ・トゥー・ザ・ロード)」を合唱する人々、路上で聖書を読み上げる声、デモ隊をかくまう教会──。
日本ではあまり報じられないが、自由を求めて続く香港のデモ活動は「キリスト教精神」に支えられている。
8月から9月にかけて、本誌編集部員が香港に飛び、現地で取材を行った。
その中で、香港城市大学の元教授で民主活動家の鄭宇碩(ジョセフ・チェン)氏は、デモ参加者の多くがキリスト教徒であることを踏まえ、死後の世界を信じているキリスト教徒にとって「この世で物質的な幸福を得ることはそこまで重要ではない」とし、「より高次な価値のために、この世における自己犠牲をいとわない」と語った。
香港の人々は、身の危険を承知の上でデモに参加している。すでに1400人以上が「暴動罪」などの名目で逮捕され、中国の武装警察による武力介入の可能性もささやかれている。デモに参加することで被る不利益は圧倒的に大きい。
それでも、自由という「より高次な価値」を実現するために、自らの身を投じる。そうしたキリスト教的な自己犠牲の精神が、デモの根底に流れている。
クリスチャンとしてのジョシュア・ウォン氏
香港デモを象徴する一人である黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏も、キリスト教徒だ。
ウォン氏は、2014年に香港で起きた民主化デモ「雨傘運動」で学生リーダーとして活躍し、2016年には周庭(アグネス・チョウ)氏とともに、香港の自決権を掲げる政党「香港衆志(デモシスト)」を創設した。幼い頃から教会に通い、香港のキリスト教系私立中学校「ユナイテッド・クリスチャン・カレッジ」で教育を受けている。
まだ中学生だった2012年当時、中国共産党の思想に近い愛国主義教育を導入しようとする香港政府に対し、10代中心の学生運動組織「学民思潮(スカラリズム)」を結成して抗議。12万人の中高生らを動員して抗議デモを行うなどをし、香港政府に政策を撤回させた実績を持つ。
今年8月末に違法な抗議集会を計画した疑いで香港警察に逮捕されたものの、9月3日に台湾を訪れ、香港の民主化に対する支援を呼びかけた。10日にはドイツ・ベルリンでハイコ・マース独外相と面会し、13日にアメリカのコロンビア大学で講演。17日には米議会の公聴会に出席し、議員に向けて「香港人権・民主主義法案」の早期可決を求めるなど、尋常ではないスピードで活動している。
一体なにが、ウォン氏を突き動かしているのか。
「イエス・キリストを信じる心が、私をますます強くしてくれました」
今月19日、大川隆法・幸福の科学総裁はウォン氏の守護霊を招霊し本心を探った。
中国の国営メディアは5日に、大川総裁による香港の民主活動家アグネス・チョウ氏の守護霊霊言の内容を本人の言葉のように取り上げて「誤報」を流したが、これはあくまで「守護霊」の言葉であることを強調したい。
ウォン氏の守護霊は英語で、香港政府に求めること、ドイツやアメリカで感じた無力感などについて赤裸々に明かした。その上で、自らを突き動かす「原動力」について、「イエス・キリストを信じる心が、私をますます強くしてくれました」と述べ、イエスの弟子として香港に正義を打ち立てたいという思いを熱く語った。
全体を通して、キリスト教徒の転生を思わせる宗教的な霊言となった。
香港革命から中国革命へ
こうした香港デモを支える「キリスト教精神」こそ、中国政府が恐れてやまないものだろう。中国の歴史を振り返ると、いつの時代も宗教勢力が独裁的な政治体制を揺るがしてきた。
重税で国民が苦しんでいた後漢末期、道教系新宗教の「太平道」が黄巾の乱を起こし、三国時代が訪れた。アヘン戦争後の疲弊した清朝末期では、洪秀全がキリスト教系新宗教「太平天国」を創設し、清朝の統治を揺るがした。この他にも、天変地異や政治の乱れが起きるたび、宗教が反乱を起こし、時の政権に立ち向かってきた歴史がある。
現代の香港デモにおいても、宗教的な精神が背骨となっているからこそ、発生から100日以上経った今なお、人々の情熱が消えず、行進が続いている。彼らの精神が世界の人々を感化し大きなうねりとなれば、自由を求める活動は中国本土にまで波及し得るだろう。
日本では、「授業をボイコットしてデモに参加する中高生」や「レーザーポインターを使って催涙弾に応戦するデモ隊」などと表面的な事象ばかりが報道されがちだが、彼らの背骨となっている精神を理解しなければ、香港デモの本質を見誤ってしまう。彼らが何のために戦い続けているのか、その叫びに耳を傾けるべきではないか。
本霊言では、他にも次のような論点への言及があった。
- 日本政府に対する印象
- アメリカ政府に期待すること
- 台湾に迫る危機
- ウォン氏の過去世について
- マルクス主義とキリスト教について
- 人間にとって自由とは何か
- キリスト教的な「自己犠牲の精神」
- 数の多さでは分からない「神の正義」
ここに紹介したのは霊言のごく一部です。
詳しくは幸福の科学の施設で、ぜひご覧ください(下記参照)。
・幸福の科学サービスセンター Tel:03-5793-1727
火~金/10:00~20:00 土日祝(月曜を除く)/10:00~18:00
・同グループサイトの支部や精舎へのアクセス
【関連書籍】
幸福の科学出版 『自由のために、戦うべきは今』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2250
【関連動画】
泣きながら取材した香港革命~日本人へのSOS~【未来編集】
【関連記事】
2019年9月21日付本欄 習近平の娘・習明沢守護霊霊言で明かされた「次の中国」
https://the-liberty.com/article/16267/
2019年9月18日付本欄 「中国も民主化すべき時」: 香港の民主派弁護士アルバート・ホー氏インタビュー
https://the-liberty.com/article/16256/
2019年9月11日付本欄 香港の民主化運動が「正しい革命」と言えるワケ【香港革命成就への道(3)】