北朝鮮や中国など、「反日」を掲げる核保有国に囲まれている日本。
安全保障上、極めて危険な状態にあるといえますが、日本人の多くは「アメリカが守ってくれるだろう」という安心感がどこかにあるのか、真剣に国防強化や核保有について議論しようとしません。
安倍晋三首相も、憲法改正を悲願としていたはずですが、最近では「憲法9条に自衛隊の存在を書き込む」という中途半端な案を掲げています。自衛隊の存在が認められるのは結構なことですが、実際に国を護れる状態にならなければ意味がありません。
防衛力を強化するためには、どのような考え方と策をとるべきでしょうか。
「ザ・リバティ」6月号では、「日本を守るために最低限の核抑止力を持つべき」と主張する、国際政治アナリストの伊藤貫氏のインタビュー(「日本の核保有は独立国として当然の判断」)を掲載しました。
本欄では、本誌に掲載できなかったものを紹介いたします。
今回は後編です。
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伊藤 貫
(いとう・かん) 1953年生まれ。東京大学経済学部卒。米コーネル大学でアメリカ政治史・国際関係論を学び、ビジネス・コンサルティング会社に国際政治・金融アナリストとして勤務。著書に『中国の核戦力に日本は屈服する』(小学館)、『自滅するアメリカ帝国』(文春新書)など。