消費税10%への増税をめぐり、さまざまな議論が交わされています。

そんな中、本欄の読者より「輸出企業は消費税を払っていないと聞いたのですが、本当ですか?」という質問をいただきました。

そもそも消費税とは、企業ではなく最終消費者が負担をする(払う)税金であり、各事業者はそれを消費者から預かります。ただ、最終消費者に商品が届く前のさまざまな段階において消費税がかかるため、各事業者が損も得もしないように「還付」という仕組みが設けられています。

この仕組みで、輸出企業は消費税を納めるのではなく、国から「還付金」を受け取っています。

ある試算によれば、8%の消費税収約19兆円のうち、25%程度が還付金として事業者に戻されているとの指摘もあります。

これ自体、理論上は説明がつきますが、実際に税務署に納めるのか受け取るのかでは大きな違いが生じます。

そこで今回は、「還付金」の仕組みと問題点を見ていきます。