もし、ある日突然、身に覚えのない罪で逮捕され、無理やり「再教育施設」に入れられ、ゴキブリやネズミを食べることを強制されたら──。

かねてから、中国・新疆ウイグル自治区の「再教育施設」では、「イスラム教徒に、教義で禁止されている豚肉を食べさせる」という告発がされてきました。このほど、施設に収容されていたイスラム教徒の男性が施設の様子や生活について語ったAFPBB Newsの記事でも、同様の告発がなされています。

記事によると、再教育施設での1日は「中国国歌斉唱」と「自己批判」から始まり、多くの場合、「豚肉のみの食事」で終わるといいます。

この男性は新疆ウイグル自治区で、身に覚えのない「テロリズムを支援した罪」で逮捕され、7カ月間収監された後、カラマイ市にある再教育施設に収容されました。

施設の目的は「収容者の信仰を剥ぎ取ること」だったといいます。中国国歌の斉唱や豚肉食の強制、中国語以外の言語使用禁止、イスラム教徒のアイデンティティである礼拝やひげを伸ばすなどの行為も禁止など、さまざまな「弾圧」と「洗脳」が行われていたといいます。

イスラム教の戒律の中でも、「豚肉を食べない」ことは特に有名です。本記事では、イスラム教徒にとって、「豚肉の強制」はどれほど信仰を侮辱し、人間としての尊厳を否定される行為なのかをお伝えします。