2019年1月8日、ゴーン氏が出廷して無実を訴えたというニュースに注目する通行人。写真:AFP/アフロ。

2019年3月号記事

ニュースのミカタ 1

経済

「ゴーン叩き」に沸く日本

「強欲な極悪人」は本当?

「地に堕ちたカリスマ」「日産を私物化する金の亡者」─。

カルロス・ゴーン日産前会長が東京地検特捜部に逮捕されて以来、マスコミは「人格攻撃」とも思える報道を続けています。

確かに自業自得な面もあるでしょう。日産社長として20年実権を握り続ける中で、天狗のようになっていたことは事実です。

仏政府の意向でルノーが日産を完全に子会社化しようとし、これを阻止したい日産幹部にはゴーン氏排除の十分な動機があります。「クーデター」を画策し、検察に情報を流して社内の権力闘争の解決を"外注"したのです。

検察はそれを受けて、マスコミに次々とゴーン氏の「異常な罪状」をリーク。マスコミがそれを書き立て、「強欲な極悪人」というイメージができ上がっています。

しかしゴーン氏は本当に「私的流用を繰り返し、日産を金づるとして利用しつくした極悪人」と断定できるのでしょうか。