イラン核合意から離脱したトランプ米政権は、イランへの経済制裁の一部を再開しました。
まずは、各企業にイランの基幹産業である自動車や貴金属・鉄鋼の取引停止を求め、11月には、原油の取引を制裁対象に加えます。「資金源の遮断による兵糧攻め」です。
これに対しイランは、英独仏中露の5カ国と結んだ核合意を維持することで対抗する見通しです。
英独仏は制裁再開に反対しており、イランに進出している欧州企業に対して、アメリカの制裁を無力化する「ブロッキング規制」を発動すると発表しました。中国やロシアは、原油やガスの取引を増やすことで、イランでの影響力の拡大を狙っています。
本欄では、アメリカとイランの双方の意見から、制裁の是非について考えてみます。