京都大学で入試問題が試験中にインターネット上に投稿された問題で、京都府警は、仙台市の予備校生の事情聴取を始め、容疑が固まり次第逮捕する方針を固めた。3日付の各紙夕刊が大きく報じているが、現時点までの各紙は記事報道と社説を含め、今回の不正が「なぜ悪いのか」に関する論評が弱いと言わざるを得ない。
仏教的な因果の理法(原因・結果の法則)から見れば、試験の不正行為は、自分自身が真面目に努力できない心の弱い人間になってしまう点が大きな問題であり、長い人生を考えれば自分がいちばん損をする。古い言葉で言えば「お天道様が見ている」のだ。そうした伝統的・宗教的な善悪の基準を、家庭も学校も予備校もマスコミも受験生に教えないのなら、いくら情報機器を取り締まったところで不正はなくならないだろう。(司)
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