《本記事のポイント》
- トランプ政権が中国・韓国などの不当廉売に対し貿易制限を発動すると発表
- 貿易で稼いだ資金で核・ミサイルや軍艦、人工島の軍事施設などをつくる中国
- トランプ政権の今回の措置は、戦わずして勝つ「対中国戦略」といえる
アメリカのトランプ政権は22日、中国や韓国などによる太陽光パネルや家庭用洗濯機の輸出急増がアメリカ企業に損害を与えているとして、通商法201条に基づく緊急輸入制限(セーフガード)を発動すると発表した。
201条の措置発動は約16年ぶりとなる。米国通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は声明で、「大統領の措置は、トランプ政権が常にアメリカの労働者や農家、牧場経営者、企業を保護することを再び明確にした」と指摘した。
太陽光パネルの輸入に対するセーフガードとしては、規定の輸入量を超える製品には、最大30%の追加関税をかけることになった。中国製の太陽光パネルの輸入が急増していることを受け、米メーカーは2017年秋に不当廉売の訴えを起こし、米国際貿易委員会(ITC)が損害を認定していた。
洗濯機については、韓国のサムスン電子とLGエレクトロニクスなど、韓国製の輸入が増えていた。アメリカの洗濯機メーカーが被害を受けたとして、輸入枠120万台の超過分に最大50%の関税を上乗せするという。
トランプ政権のこの措置によって、米中間の貿易摩擦が激化する可能性が高くなるとみられている。
「関税は外交上の"武器"」
トランプ大統領は、「諸外国との不公正な競争に対処する」と繰り返し表明してきたが、トランプ政権で米通商法201条に基づくセーフガードが発動されたのは今回が初めて。いよいよ本格的な貿易制限が始まったと注目を集めている。
米中貿易が特に活発化したのは、親中的な経済政策を打ち出したクリントン政権以降だ。中国が2001年にWTOに加盟し、市場を開放すると、アメリカの企業が人件費の安い中国に工場を建て、安い中国製品がアメリカに流れ込んだ。それにより、アメリカの雇用や産業が衰退した。
しかも、中国は貿易を通して稼いだ資金で、核・ミサイルや軍艦、人工島に軍事施設などをつくっている。中国の軍事的な脅威が各地域を侵略しようとするなら、この現状を放置すべきではない。
大川隆法・幸福の科学総裁は2016年末に出版した著書『トランプ新大統領で世界はこう動く』の中で、次のように述べている。
「 ドナルド・トランプは、『関税制度すなわち輸入にかける税金は、外交上の武器の一つである』と考えているわけです。たとえば、中国の外交政策が気に食わなかったら、中国に高い税率を課すことができます。たとえば、中国がアジアの国を侵略しようとしたら、トランプは中国からの輸入品に対する関税率を変えるでしょう。これは、"熱い戦争"を起こさず、銃弾もミサイルも第七艦隊も使わない"武器の一つ"です 」
トランプ政権による今回の措置は、アメリカ国内の産業や労働者を保護するとともに、戦わずして勝つ「対中国戦略」といえそうだ。
(小林真由美)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『トランプ新大統領で世界はこう動く』 大川隆法著
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