2018年3月号記事
世界の民主活動家たち Interview
9億人が隔離される独裁国家・中国
香港で行われた天安門事件の追悼式に合わせて、「民主の女神像」を制作するなど、芸術を通して長年中国の民主化運動に携わってきた活動家に、民主化への思いを聞いた。
(編集部 長華子)
彫刻家
陳維明
(チェン・ウェイミン〈Chen Weiming〉)1970年、中国浙江省の杭州生まれ。89年の天安門事件を機に民主活動家となる。民主の女神像、天安門大虐殺事件を描いたレリーフ、さらに、劉暁波氏のレリーフなどを制作している。
─民主化運動に携わるきっかけを教えてください。
陳維明氏(以下、陳) : 私が政治的な作品に取り組むようになったのは、1989年の天安門大虐殺事件からです。 中国共産党が国民を襲う映像を見たときから、ピカソが絵画「ゲルニカ」で戦争の悲惨さを訴えたように、彫刻を通して、人々を感化しようと決意したのです。
以来、2010年に、香港市民の民主化活動の思いと一体となった「民主の女神像」など、自由や民主主義などの価値観を人々の心に喚起する作品を創っています。
2010年6月、香港で行われた天安門大虐殺事件の追悼式。15万の香港市民は、陳氏が制作した「民主の女神像」に中国民主化の希望を見た。現在、像は香港中文大学にあり、同型のものがアメリカのサンフランシスコ、ワシントンDCなどに建てられている。
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