「希望の党」が公認を出している候補者のうち、前民進党議員は第一次公認名簿においては44人だ(新人、元職含めれば110人)。そのうち、2015年に安保法案に反対し、採決を退席・本会議欠席をした候補者は39人と、約9割を占めている。

「希望の党」の公認条件である政策協定書には、「現下の厳しい国際情勢に鑑み、現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に運用する」とある。

議員39人は、「希望の党」公認のために"踏み絵"を踏み、事実上安保法制を容認したことになる。「議員生活のために政策などいくらでも変える政治家」という謗りは免れない。

以下がその議員一覧。

北海道2区 松木謙公

比例東北 寺田学

青森1区 升田世喜男

岩手1区 階猛

福島4区 小熊慎司

茨城1区 福島伸享

群馬1区 宮崎岳志

群馬2区 石関貴史

埼玉1区 武正公一

埼玉7区 小宮山泰子

埼玉10区 坂本祐之輔

千葉1区 田嶋要

千葉8区 太田和美

千葉9区 奥野総一郎

神奈川14区 本村賢太郎

神奈川17区 神山洋介

長野3区 井出庸生

岐阜4区 今井雅人

静岡6区 渡辺周

愛知2区 古川元久

愛知4区 牧義夫

愛知9区 岡本充功

愛知11区 古本伸一郎

愛知13区 大西健介

滋賀2区 田島一成

京都3区 泉健太

京都6区 山井和則

兵庫1区 井坂信彦

奈良1区 馬淵澄夫

和歌山1区 岸本周平

岡山2区 津村啓介

岡山4区 柚木道義

香川1区 小川淳也

香川2区 玉木雄一郎

福岡9区 緒方林太郎

佐賀1区 原口一博

佐賀2区 大串博志

熊本1区 松野頼久

大分1区 吉良州司

各候補者とも、これから「転向」に対する弁明に追われることになるだろう。

例えば佐賀2区から出馬する大串博志氏の事務所は、2日付産経ニュースの取材に対して「(与党の)法案には、賛成できる部分もあったと審議を通じて訴えている。『変なところを直す』というのが大串のスタンスだ」と弁明しているが、苦しさは拭えない。

ちなみに、「政策協定書」の「適切に運用する」という表現は、元民進党の立候補者が合流しやすいために玉虫色の言葉に変更された経緯がある。前民進党議員たちが「適切に運用=安保法制を容認しないこと」と読んでいるとしたら、「希望の党」は決して保守政党ではないことになる。

また、合流を促すために政策協定の重要な部分を曖昧にする「希望の党」を、哲学ある政党と言うわけにはいかない。数多くの議員を獲得し、仮に政権を取ったとしても、その時々の支持率・政局に応じて、いくらでも政策を変えるだろう。

「不誠実さ」という点で「希望の党」は、「加計問題」をごまかし続け、北朝鮮情勢が切迫した"チャンス"を突いて解散した安倍自民党と、大差は無いと言える。

【保守政党・公約比較】希望は候補が「民進党」、自民は政策が「民進党」

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