10 日付けの毎日新聞によると、中国が内海化しようとしている南シナ海で、台湾も存在感を示し始めた。

26 日に、台湾は自国初の2000トン級ヘリコプター甲板付き大型巡視船「台南艦」を配備する。中国など周辺国家の軍備強化を警戒し、さらに14年までに、143億9000万台湾ドル(約409億円)を投じて、1000トン級4隻、2000トン級1隻、3000トン級2隻の巡視船を追加配備するという。

中国の軍備強化は着々と進んでいる。 09年、10年と続いて、軽武装の実質巡視船と変わらない大型漁業監視船を1隻ずつ投入、さらに今年1月には最新鋭巡視船「中国海監23」を配備している。今後は、巡視船36隻も投入する計画だ。

だが、中国を懸念したこうした軍備強化とは矛盾するかのように、7日、台湾の馬英九総統は、新春茶会の席上で公文書では中国本土の呼称に「中国」は使わず、「中国大陸」か「大陸」で統一するよう指示した。「大陸」は、「中国内の大陸部分」という意味であり、中国と台湾が「一つの中国」であることを強調するかのような発言をしている。

来年の次期総統選挙に向けて、台湾の経済成長を支える中国との関係を良好に保つのが狙いだと考えられるが、親中派の馬英九総統だけに、今回の発言は気になる。万が一にも台湾併合ということがないように、日本は台湾との連携をより強めていくと同時に、日本も南シナ海同様、中国が覇権を広げようとする東シナ海での海上警備能力を強化しなければならない。(吉)

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