天下りあっせん問題で頭を下げる松野博一文科相 写真:時事
2017年4月号記事
文科省再就職口利き問題
「天下り」と「大学認可」の深すぎる関係
違法な天下りあっせんで、教育行政にかかわる文部科学省の信頼が地に堕ちている。
なぜ天下りが起こるのか。
(編集部 小川佳世子)
文部科学省を退職した元幹部が、筑波大学や慶応大学などに違法な天下りを行っていた問題が、連日報道された。
この問題の発端は、吉田大輔元高等教育局長の早稲田大学への再就職に、文科省の幹部が関わっていたと明らかにされたこと。 国家公務員法は、在職中に利害関係がある団体への就職活動を禁じている。 再就職に違法性があるとされた吉田氏は大学に辞表を提出。問題に関与した前川喜平事務次官も辞任に追い込まれた。
あっせんに関わっていた文科省人事課OBの嶋貫和男氏は国会で追及された。OBが再就職の手伝いをすることは、必ずしも違法ではないが、嶋貫氏は文科省から人材情報を提供され、就職先などを報告していたという。OBという「抜け穴」を使っただけで、実際は組織的に退職者の天下りをバックアップしていたわけだ。
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OB再就職→大学院大学認可
元文部官僚再就職と大学・学部設置の時期
許認可行政はやめるべき