政府は7日、ウズベキスタンとの貿易投資拡大や鉱物資源エネルギー開発での協力強化を合意、さらにロシアとも核物質や関連技術を移転できるようにする原子力協定の批准手続きに入った。

ウズベキスタンとは、ウラン鉱山の共同開発を官民一体で積極的に進めていくほか、レアメタルの埋蔵量などの調査も共同で行う。ウランは原子力発電の燃料となり、温暖化対策として原子力発電所の建設が増えることに伴い、今後世界的な獲得競争が起こることが予想されている。日本としてはその調達先を確保できる一方、ウズベキスタンも日本の高い技術力を呼び込むことができるという両者にとってwin-winの合意だ。

ロシアとの協定も両国にとってメリットがある。日本はウラン燃料をロシアから調達して海外の原発受注に生かせるし、ロシアは原発の基幹部品となるタービンや関連技術を日本から輸入できる。

原発は核分裂反応によって起きる核エネルギーを利用する発電方法だが、この核エネルギーの利用は核兵器の開発にも使用される。

原子力協定は、核不拡散のために、原子力技術を有する国が、核兵器開発に転用しないことを条件に原子力発電の技術や機材を輸出することを相手国と取り決めるのだが、2008年に核不拡散条約(NPT)に非加盟のインドが米国と原子力協力協定を結んだことで、インドの核保有が国際的に認められることになった。日本はNPTに加盟しているが、ロシアとの協定によって実質、核開発技術を輸入できる状況になれば、中国や北朝鮮に対する抑止力となる。その意味で、この両国との協力強化は評価できる。(吉)

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