2016年11月号記事

空海、行基、日本の神々―

「聖地・四国」2500年の歴史

「お遍路」で有名な四国。

全国から多くの巡礼者が集うが、解明されていない謎も多い。

文献を読むと、日本神道の神々や行基などとの関係も見えてくる。

現地を訪れ、その謎に迫った。

(編集部 山本慧 / 写真 大滝政文)

四国を禊ぎ護ってきた日本の神々

四国は空海や行基が多くの寺を建てたことで有名だが、実は神道との縁も深い。

(編集部 山本泉)


contents

空海、行基、日本の神々― 「聖地・四国」2500年の歴史 2 / 四国を禊ぎ護ってきた日本の神々


神代の時代、日本はどの場所から創られたのか、ご存知だろうか。

日本最古の歴史書『古事記』によると、国生みの神として知られる伊邪那岐と伊邪那美が初めに創ったのは、兵庫県・淡路島であるという。

淡路島、四国、隠岐諸島、九州、壱岐島、対馬、佐渡島、本州―。この順に日本は創られたが、その理由は歴史書では分からない。

淡路島の伊弉諾神宮には、左の図のような石碑がある。淡路島を中心に、皇室にとって重要な大社が建っており、神道にとって、淡路島は重要な土地だということが示されている。

その淡路には、「阿波への道」という意味がある。阿波とは、現在の徳島のこと。

つまり、 伊邪那岐と伊邪那美は「徳島に至る道」を初めに創ったことになる。 四国、特に徳島は神道にとって重要な土地なのだ。

次ページからのポイント

禊を行う忌部氏

神々が護っていた四国

国生みの神は「阿波への道」を最初に創った