先の大戦における日米の戦いについて、異なる見方がそれぞれ立ちあがっているようだ。
米国北東部ロードアイランド州議会下院が、今年の8月15日を「コリアの日」として祝賀する決議を5月に採択していた。産経新聞が報じた。
これは、韓国系アメリカ人とつながりが強いと見られる下院の民主党議員が提出したもの。
韓国では日本の敗戦により、朝鮮半島の日本統治が終わったことを祝う「光復節」が祝われる。「コリアの日」はこれに合わせたものだ。
ロードアイランド州は、1948年以来、全米で唯一、8月の第2月曜日を対日戦勝記念日として、州の祝日とし続けている。アメリカ内では、先の大戦について、「暴走する日本を止めたアメリカ」「原爆投下により多くの命が救われた」とする論が根強く残っている。このアメリカの認識に乗じ、韓国や中国は自国の主張を米国に浸透させようとしているようだ。
「南京大虐殺」や「慰安婦問題」など、不当な主張を終わらせるためには、最終的には、中韓の主張を助長させるアメリカの歴史認識をこそ、変えていかねばならない。
原爆投下の正義を問われるアメリカ
一方、アメリカ国内では、原爆投下は正しかったのか否かを問う議論も盛り上がっている。
この5月にアメリカの大統領として初めてオバマ大統領が広島を訪れた。イギリスの世論調査会社YouGovは、この訪問に合わせ、アメリカによる原爆投下が正しい決断だったと思うかどうかを問う世論調査の結果を発表している。
その結果、アメリカでは、「正しい」とする人が45%、「誤り」だとする人が25%となった。しかし、イギリスでは前者が28%、後者が41%。連合国側にあったイギリスで「原爆投下は誤りであった」とする意見が優勢となったのは注目に値する。
また、この調査に関し、同社は「アメリカでも若い人の中には原爆投下を誤りだったとする人が目立った」という、興味深い傾向を示すコメントをしている。
実際に、同社が戦後70周年となった2015年に世代別にアメリカで行った、同様の世論調査では、45歳以上では原爆を正当化する人が多かったが、18~44歳では原爆投下を誤りとする人の数が、原爆投下を正当化する数を上回っていた。
軍事歴史家のイアン・トール氏は、オバマ氏の広島訪問に先立ち、ニューヨーク・デイリー・ニュース紙(NYDN)に「原爆投下は不要であった」とする自身の論説を寄稿している。
「原爆投下」に対する認識がアメリカ国内でも揺れ始めているのが伺える。
今こそ歴史の検証が行われるべき
そもそも、「日本が開戦に踏み切った理由」が、まだアメリカでは正しく受け止められていない。アメリカでは「日本の軍国主義を食い止めた」とする意見が常識的になっているが、実際には、日本の開戦目的は、「自国を守ること」、そして「アジアの植民地を解放すること」にあった。戦勝国側からの視点だけで歴史を見ることは、公平とは言えない。
欧米で「本当に日本が悪かったのか」という声があがっている中、白紙の目で歴史を見直すことが必要だろう。(片)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『原爆投下は人類への罪か?』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=969
幸福の科学出版 『大川隆法の"大東亜戦争"論 [上巻]』 大川真輝著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1508
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2015年8月号 アメリカの反省 - 共産主義の大国 中国を育てた3人の大統領 - 戦後70年 日本の誇りを取り戻そう