拳銃自殺を遂げたはずのヒトラーが、第二次大戦から70年経った現代に蘇り、コメディアンとしてテレビ出演を果たし、少しずつ国民の心をつかんでいく……。

こんな禁断のストーリーを描いた映画「帰ってきたヒトラー」が話題を呼んでいる。

ブラックジョーク炸裂の作品だが、70年前と変わらずドイツ帝国をつくろうとするヒトラーが、国民一人ひとりに会いに行って悩みを聞いたり、昔の演説を現代風にアレンジして聴衆を惹きつけたり、はたまたインターネットを駆使して人気を呼ぶ様子が描かれていて興味深い。

公開されたドイツ本国では、ディズニーの大ヒットアニメ「イン・サイド・ヘッド」を抑えて1位を獲得。原作の小説は、世界41カ国で翻訳され、アメリカではNYタイムズ紙のベストセラーリストで1位に輝いている。

"ヒトラー的"為政者が増える世界

思えば、あまりに時事的な話題だ。

プーチン、トランプ、習近平、金正恩、安倍晋三……。近年、「現代のヒトラー」と批判される政治家が、世界で増えている。

国際情勢が不安定になる中、カリスマ的な為政者が期待されている面もあるだろう。一方で、強い為政者は、独裁者ヒトラーを彷彿とさせるため、警戒されてもいる。

もしヒトラーが本当に帰ってきたら、いったい誰が"仲間"に見えるのだろうか。

地獄のヒトラー"本人"に聞く

それを垣間見ることが出来る本がある。

大川隆法・幸福の科学総裁による著作『ヒトラー的視点から検証する 世界で最も危険な独裁者の見分け方』だ。

これは、大川総裁がヒトラーの霊をあの世から呼び出し、現代の国際政治について"分析"してもらったもの。以下が、語られた内容の一部だ。

  • トランプ人気を生み出しているアメリカ国民の心理
  • 安倍首相の代わりに「ヒトラー的」手腕を振るう政治家の存在
  • プーチンは世界の脅威かどうか
  • 習近平を襲っている「焦り心」とは
  • ネットに潜む「ヒトラー」の影

その国際情勢や政局の分析そのものは、非常にリアリスティックで鋭い。言葉遣いも、演説で民衆を扇動するイメージとは裏腹に、冷静なものだった。

しかし逆に言えば、その洞察力と政治手腕が、大きな権力を生み、悲劇を大きくしてしまったのだろう。もちろんヒトラー霊は現在、地獄に堕ちている。誤った心や思想を持ち、多くの人々を虐殺した罪はあまりにも重い……。

いずれにせよ、本書を読めば、世界の真の独裁の脅威が見えてくるかもしれない。「蛇の道は蛇」(同類の者のすることは容易に推測ができる)とはよく言ったものだ。

(朗/光)

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幸福の科学出版 『ヒトラー的視点から検証する 世界で最も危険な独裁者の見分け方』 大川隆法著

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