読書に関する興味深い研究結果がこのほど、経済誌「エコノミクスジャーナル」に掲載された。
この研究は、イタリア・パドヴァ大学のジョルジオ・ブルネロ氏ら3人の経済学者によって行われた。調査対象はヨーロッパ9カ国で生まれた6千人。調査期間は、ヨーロッパで義務教育の卒業年齢が引き上げられた1920年から1956年までの37年間だ。
研究者たちは、調査対象者が10歳の時に家庭にあった本の数について、「十冊未満」「11~25冊」「26~100冊」「101~200冊」「200冊以上」と5パターンに分け、生涯収入と子供の頃の家庭環境との関係を調査した。
その結果、本が少ない家庭で育った人は、高等教育を受けても高等教育1年につき平均して生涯収入は5%しか増えなかったが、本が10冊以上の家庭で育った人の場合、増加幅が21%にもなったという。