安倍晋三首相が2017年4月に予定している消費税10%への増税を再延期する方針を13日に固めたことを、5月14日付日経新聞が報じた。8%に増税した際の消費への影響の大きさや、4月の熊本地震の景気への影響を鑑み、今回の方針を決めたという。
消費税増税自体は、消費の冷え込みや税収減などを招き、更に景気を悪化させると考えられるため行うべきではない。しかし、再延期するにしても、予定通り増税するにしても、明らかに「おかしい」部分が見られる。
「信を問う」ではなく「謝罪」を
記事によれば、安倍首相は、今月26、27日に開かれるG7伊勢志摩サミットでの議論を踏まえ、再延期を表明する予定だ。国内経済の悪化や、G7諸国などとの国際的な経済政策の協調、熊本地震などの「複合的な理由」を訴えると予想されている。
また、同記事は「首相は衆参同日選も見送る意向で、7月の参院選で増税再延期について信を問う形となる」としている。しかしすでに一度、安倍首相は2014年の衆議院解散総選挙で、消費税を10パーセントにする時期を2017年4月に延期することについて、「国民に信を問う」ている。
アベノミクス導入後、日経平均株価は2万円台にのり、一時的に景気は回復した。しかし消費税を8パーセントに上げたところ、株価は下落し、景気は再び悪化。消費税増税によって景気回復に失敗したことは明白だ。
選挙で国民に、今後の政策の是非を問うならわかるが、消費税増税に関しては、もうすでに「失敗」した政策だ。安倍首相は、「信を問う」のではなく、政策の失敗を認めて謝罪すべきだろう。
分かっていた「消費増税の失敗」
自民党が「アベノミクス」として掲げた経済政策は、幸福実現党が掲げてきたマニフェストと酷似している。しかし幸福実現党と大きく違った点が、消費税の増税についてだった。2009年の立党以来幸福実現党は減税をかかげ、「消費税増税で税収は減る」と訴えてきた。
幸福実現党の2009年8月主要政策集より。
今年に入っての衆院予算委員会で安倍首相は、「増税して税収が増えなければ元も子もない」と再延期をちらつかせるような発言をしていたが、結果はもう7年前に分かっていたことなのだ(グラフ参照)。
安倍首相は、国民に判断を押し付けるのではなく、国民の代表として選ばれた政治家として判断責任を取っていくべきだろう。(祐)
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