集団的自衛権の限定的な行使を容認する安全保障関連法が29日、施行された。同法に反対する民進党や共産党などは、自衛隊がアメリカの戦争に巻き込まれる「リスク」などを強調。夏の参院選を見据え、安倍政権への攻撃材料にする構えを見せている。

また左翼的なマスコミも、反対する野党を援護射撃。朝日新聞は同日付一面で、「集団的自衛権容認、専守防衛を転換」と、専守防衛のスタンスを放棄したかのように紹介した。東京新聞も、「海外で銃構える自分 想像できない」という自衛隊の声を見出しにして、安保法を批判的に報じた。

北朝鮮はリアルな危険ではない!?

だが、安保法の議論では、しばしば「日本をどのように守り抜くのか」という視点が欠落しがちになる。それを象徴するのが、共産党の志位和夫委員長が、2015年11月7日のテレビ番組で発言した次の言葉だ。

「北朝鮮にリアルな危険があるのではない」