内戦が続くシリアから「電撃訪問」だった。

シリアのアサド大統領は20日、ロシア・モスクワを訪れ、プーチン大統領と会談した。ロシア政府が明らかにした。アサド大統領が外国を訪れるのは、2011年のシリア内戦開始以降初めてだ。

プーチンに感謝するアサド

現在ロシアは、シリアやイラクに広がるイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」への攻撃を強化するために、シリア政府に軍事支援を行っている。ロシア政府の発表によると、アサド大統領は「ロシアの政治的行動がなければ、シリア情勢はより悲劇的になっただろう」とロシア側に謝意を伝えた。

プーチン大統領も、「すべての政治勢力、民族、宗教が参加した政治的なプロセスを進めなければならない」「軍事的行動だけではない。政治を通じても貢献する用意はできている」と、今後もアサド政権を支援していく意思を表明。アサド政権と軍事・政治面で連携し、混乱の収束を目指す。

こうしたロシア側の動きは、シリア反政府勢力を支援する欧米諸国側と真逆だ。

「ゲリラ、テロで体制が崩れることはよろしくない」

シリアでは2013年、政府軍が化学兵器を使用し、自国民を虐殺した証拠が見つかった。にもかかわらず、シリア政府への支援をやめないプーチン大統領は、欧米諸国から「悪魔」「独裁者」などと激しく非難を浴びている。果たしてプーチン大統領の真意はどこにあるのか。

大川隆法・幸福の科学総裁は、2012年、14年と、過去2回、プーチン大統領の守護霊を招霊し、北方領土問題や中国、北朝鮮への見方などについてさまざまに語っている。一連の守護霊の発言から、シリア問題に関する「本心」も垣間見える。

「平和裡に、合法的に、政権が替わるなら、それで構わないと思ってますよ。だけど、それ以外の、そういう暴力的な手段とか、ゲリラ、テロみたいなもので体制が崩れるようなことは、やっぱり、あんまりよろしくない」

また、2003年に始まったイラク戦争で、アメリカはイラクのサダム・フセイン大統領を処刑し、その後、イラクが混乱したことにも言及。シリアについても、以下のように疑問を呈している。

「『アサドを殺すか、向こう(シリア)を制圧するか』っていう問題だけど、あそこがまとまるかどうかには、微妙なところがある」

米ロ双方とも完全に正しいわけではない

プーチン守護霊は、アメリカがシリアの反政府勢力を支援して政府を倒した場合、内戦が泥沼化することを懸念しており、この点で、地上の本人と意見が一致する部分がある。

9月の国連総会でプーチン大統領は、「『民主的な』革命の輸出を続けているものもいます。(中略)民主主義と進歩の代わりに、今そこにあるのは、暴力、貧困、社会不安、生きる権利を含めた人権の全くの無視ではありませんか」と、国名は出さなかったもののアメリカを批判した。

ロシアが一辺倒にシリア政府を支援し続けているのは考えものだが、アメリカを中心とする欧米諸国も完全に正しいわけではない。

収束の兆しが見えない中東の混乱は、かつての欧米諸国の植民地支配や、宗教・宗派対立も根底にある。こうした対立と直接的な関係がなく、宗教的寛容性を持つ日本こそ、調停役としての役割が果たせるのではないか。(冨野勝寛)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『イラク戦争は正しかったか』 大川隆法著

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幸福の科学出版 『アサド大統領のスピリチュアル・メッセージ』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1025

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2015年4月号記事 イスラム国の「正義」 - 日本は欧米と中東の仲裁者たれ Part1 中東vs.欧米

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