新聞やテレビで米中首脳会談の話題が報じられているが、一方で中国は、水面下で着々と歴史のねつ造による「日本包囲網」を築こうとしている。

中国が「南京大虐殺」「従軍慰安婦」資料をユネスコ記憶遺産に登録申請している問題で、中国が再提出した新しい申請書の内容をつかんだ幸福実現党が9月15日、パリのユネスコ本部を訪れ、中国の申請書に対する反論書を提出。歴史のねつ造である、中国の申請を却下するよう申し入れた。

100人超の識者の賛同を集めてきた幸福実現党

中国は昨年6月に、「南京」と「慰安婦」に関する申請を行ったが、申請書に不備があり、ユネスコ側から今年6月末までに再提出するよう求められていた。今回明らかになったのは、その再提出された新しい申請書の内容。9月に入って、この内容をつかんだ幸福実現党が緊急に反論書をつくり、申し入れを行った。

昨年6月の中国の申請直後から、この問題の危うさに声を上げてきた同党は、過去3回にわたってユネスコ本部を訪れ、延べ100人超の識者の賛同を得た中国の資料への反論書を提出してきた。今回で4回目の反論書の提出となった。

過激なトーンを弱めた中国の狙い

中国は新しい「従軍慰安婦」の申請書の中で、これまで多用していた「性奴隷」という文言を減らし、1カ所に使用するにとどめるなど、これまでの過激なトーンを弱めている。

客観的に見ると、これまで幸福実現党が指摘してきた問題点に対して、中国側が修正しているような内容だが、「南京大虐殺は実際にあった」「慰安婦は強制連行され、性奴隷として扱われた」という基本的な主張は変わっていない。そこからは、中国の「トーンを弱めて、ユネスコ側に好印象を与えて、登録さえできれば、後で何とでも言える」という思惑が透けて見える。

反論書の詳細は、9月30日に全国の書店で発刊される本誌11月号に掲載しているが、それに先立ち28日(月)に、本ウェブ上で先行公開する。

中国は歴史問題を口実に日本侵略を目指す

10月4日~6日に行われる記憶遺産の最終審議が目前に迫ってきた。歴史問題は、単なる「認識の違い」では終わらない。

中国の習近平・国家主席は、嘘の歴史を国際社会に認めさせた上で、外交や経済面で日本をゆすりたかりを行い、その先には、「犯罪国家だった日本の行為はすべて悪」とみなして尖閣諸島や沖縄本島を侵略する「中国の夢」を描いている。

いま日本は官民一体となって、この中国の暴挙を止めなければならない。(格)

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2015年9月21日付本欄 「南京」「慰安婦」をユネスコ記憶遺産にするな! 学生150人がデモ

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2015年9月7日付本欄 ユネスコ記憶遺産 日本政府が中国への反論内容の開示を拒否!?

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2015年10月号記事 今度は「記憶遺産」で日本が大ピンチ! 中国のUNESCO「反日歴史戦」のすべて - 戦後70年 日本の誇りを取り戻そう

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