2015年11月号記事
The Liberty Opinion 4
教育
大阪市教委がいじめ対策で新方針
いじめを隠ぺいした教師を懲戒処分に
大阪市教育委員会が8月下旬、被害者救済に大きく舵を切る「いじめ対策基本方針」を発表し、全国から注目された。これは、文部科学省が2013年に施行した「いじめ防止対策推進法」(いじめ防止法)で、全国の自治体に基本方針を決めるよう求めていたもの。
大阪市教委の方針では、いじめを受けた可能性があれば被害者と見なして対応するなど、被害者を守ることを重視している。 特筆すべきは、いじめを隠ぺいした教師を懲戒処分する内容を盛り込んでいること 。教師への罰則の明記は全国でも珍しい。
5000件以上のいじめ相談を受け、全国で講演活動を行う、一般財団法人「いじめから子供を守ろうネットワーク」代表の井澤一明氏は今回の方針について、次のように取材に答えた。
「重要なのは、教師への懲戒処分を明確にしたところです。教師による隠ぺいと、子供同士の話し合いで仲直りさせようとすることでなかなかいじめがやまない。まず被害者を守ることが大切です。本来は、いじめが起きないことが理想で、起きた後の対策は次善策ではありますが、『教師の責任を問う』ことは、全国に広めるべきです」