政府が、来月正式決定される地方創生の骨子案をまとめたと、各紙が報じた。ここでは、人口減少と地域経済の縮小の悪循環を断ち切るため、2013年に1.43だった合計特殊出生率を1.8程度に改善し、2060年に人口1億人程度を確保する目標を記した。

骨子案では、現状のままでは6割以上の地域で人口が半減し、2割の地域では住民がいなくなると指摘。政府は、妊娠から子育てまで切れ目のない支援を掲げるほか、出産や子育てのしやすい環境づくりや企業の地方採用枠の拡大、地方大学の活性化といった項目も列挙したが、具体的な内容は今後検討される。目標とする「出生率1.8」については、「OECD諸国の半数以上が実現しており、日本がまず目指すべき水準」と明記している。

合計特殊出生率は、一人の女性が一生のうちに生む子供の人数だ。これを上げるには、結婚を増やし、出産を増やす必要がある。OECD諸国と比較すると、日本は婚姻率が約65%と比較的高い一方で出生率が低いという特徴がある。

結婚した夫婦が子供を持ちにくい大きな理由は、経済問題にあるようだ。第14回出生動向基本調査(夫婦調査)」(2011年)では、多くの夫婦の理想の子供人数が2.42人であるのに対し、実際の予定は2.07人で、現実の人数はこれをさらに下回る。「子供を増やさない」理由として60%は「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」と回答している。

安倍晋三首相は5日の政府・与党連絡会議で、消費税率引き上げの判断について「7~9月付のGDPなど各種の経済指標をよく見ながら、経済の状況に慎重に目配りしたい」との意見を表明。消費増税への反対を唱える有識者が数多く出ている一方、政府は再増税に対する景気対策に3~4兆円を投入する方針を固めたとも報道されている。

子育てだけを取ってみても、消費税を上げながら補助金を出すならば本末転倒だ。経済を円滑に回していくためにも、現時点での消費増税は避けるべきである。(晴)

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