新型コロナウィルス 情報統制にテンセントが"反抗"の動き!? 【澁谷司──中国包囲網の現在地】

新型コロナウィルス 情報統制にテンセントが"反抗"の動き!? 【澁谷司──中国包囲網の現在地】

 

《本記事のポイント》

  • 北京政府に抗して感染状況を"暴露"したテンセント!?
  • 一部の市民は「武漢臨時政府」成立を宣言
  • 危機に瀕する習近平政権!?

 

新型コロナウィルスをめぐって中国では、政権への不信感が強まっている。

 

例えば中国ネットサービス大手のテンセントが運営する『騰訊新聞』に、あたかも"反乱"らしき動きが見られた。同サイトに、中国当局が公式発表した感染者・死亡者数とは異なる大きな数字が二度現れ、どちらもすぐに訂正されているのだ。

 

一度目は、1月26日13時42分だった。『騰訊新聞』は、全国感染者数を1万5701人、死亡者2577人と報道した。ところが、翌27日19時01分には、感染者数2840人、死亡者数81人と訂正したのだ。

 

二度目は、2月1日23時39分である。『騰訊新聞』は、全国感染者数15万4023人、死亡者数2万4589人と報道した。だが、翌2日16時03分には、やはり感染者数を1万4446人、死亡者数を304人と訂正している。

 

『騰訊新聞』と中国政府の間に、少なからず軋轢が生じたと思われる。

 

 

感染状況の実情は『騰訊新聞』発表に近い!?

周知の如く、中国当局が発表する感染者数・死亡者数には、疑念が生じている。

 

例えば、日本政府が武漢市に派遣したチャーター機3便では、武漢市在住の邦人565人を帰国させている。そして、厚生労働省の調べでは、チャーター機に乗っていた感染者は、症状の出ていない人も含め計8人である。すると、その「感染率」は1.416%となる。

 

ところが、公式発表されている武漢市(人口約1100万人。春節前後に同市を脱出した500万人を差し引くと残り約600万人)の感染者数は3215人であり、そうなると、「感染率」は0.054%ということになる(1月31日現在)。この発表は、かなり抑えられた数字である可能性がある。

 

仮に、チャーター機で帰国した日本人の「感染率」を武漢市に当てはめると、8万4960人となる。『騰訊新聞』が初めに発表した二度の数字の方が、案外、実情に近いのかもしれない。

 

 

政府に反抗した『騰訊新聞』の覚悟

ここで注目すべきは、『騰訊新聞』が中央政府の意向を無視し、2回にわたり実態に近い数字を"暴露"したことである。企業幹部や記事の担当者は、北京政府に処分される可能性が高い。

 

処分と言っても、中国では職場をクビにされるくらいならば、まだマシな方である。場合によっては、当局に殺害されるか、精神病院送りになるだろう。

 

例えば2018年7月、29歳の女性である董瑶琼は上海で「独裁制反対」を唱え、習近平主席の写真に墨をかけた。そのため彼女は、精神病院送りになっている。今年1月、董は精神病院から自宅に戻ったが、別人のようになってしまった。

 

そうしたリスクを犯したくなるほど、中国政府の情報隠蔽は目に余るものがある。

 

 

一部の市民は「武漢臨時政府」成立を宣言

政府は2019年12月8日、すでに「武漢肺炎」が発症した事実を知っていたという。そして2020年1月3日の時点で、北京政府はアメリカに対し、感染に関する通知を30回以上行っていたという。

 

しかし、同月23日に武漢市が突如「封鎖」されるまで、市民は「武漢肺炎」について、ほとんど何も知らされていなかったのである。

 

このような状況下で2月2日、一部の武漢人がネット上で、「武漢臨時政府」成立を宣言した。同地で起きた、辛亥革命の武昌蜂起を彷彿させる。彼らは、民権を奪還すべく「武漢市独立」、「湖北省独立」を謳った。この動きがどれほど現政府に影響を及ぼすのか、現時点では不明だが、人々がどれだけ不信感を抱いているかが伺える。

 

現在、中国では経済も停滞している。今回の大感染で、人やモノの移動に厳しい制限がかけられていることで、消費に陰りが出ることは避けられない。経済にとっては、追い打ちとなるだろう。

 

この八方塞がりの中、近い将来、習近平政権は大きな危機に直面するのではないだろうか。

 

拓殖大学海外事情研究所

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~2005年夏にかけて台湾の明道管理学院(現、明道大学)で教鞭をとる。2011年4月~2014年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界新書)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

 

 

 

【関連書籍】

『新しき繁栄の時代へ』

『新しき繁栄の時代へ』

大川隆法著 幸福の科学出版

 

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