米保守紙記者ガイ・テイラー氏インタビュー 中国の一帯一路に対抗する「秘策」とは

米保守紙記者ガイ・テイラー氏インタビュー 中国の一帯一路に対抗する「秘策」とは

写真:Alexander Khitrov / Shutterstock.com

 

米保守紙ワシントン・タイムズで安全保障を担当するガイ・テイラー氏に、中国の「一帯一路」に対抗する構想について聞いた。

(聞き手・長華子)

 

中国の一帯一路に対抗する秘策

ガイ・テイラー

プロフィール

米保守紙ワシントン・タイムズで安全保障担当チームのリーダーを務める。BBCやCNN、FOXニュースなどにゲストとして出演多数。

──あなたは、中国の一帯一路に対抗する構想として「海外民間投資会社(OPIC)」を挙げています(OPICは、開発途上国などへの米企業の設備投資を奨励するために設立された半官半民の会社で、ローンの貸付などを行う)。

ガイ・テイラー氏(以下、テイラー氏): トランプ政権は2018年、OPICや国務省傘下の国際開発局などを統合し、新しい政府系金融機関を設立するビルド法(BUILD Act)に署名しました。インフラ投融資枠を600億ドル(約7兆円)に倍増する方針です。

 

これによって、OPICの可能性は劇的に拡大しました。今後、OPICの活動はよりアクティブになっていくでしょうし、資金などを貸し付けるという意味において多国籍機関をしのぎ、中国による一帯一路構想とも張り合えるはずです。

 

問題は、OPICはアメリカの機関であるがゆえに力の制限があるということです。どうすればこの制限を外すことができるのでしょうか。

 

例えば、アメリカ、日本、オーストラリア、インドの4カ国は地政学的な戦略同盟であり、中国による海洋進出に対抗することを目的としています。こうした戦略同盟が誕生した根源を同じように辿ることで、中国の一帯一路構想に対抗し得る別の可能性を育てることができます。

 

つまり、日米豪印をはじめとする国々の国民一人ひとりが持つ個人投資能力を統合するのです。こうしたことは今まで議論されてきませんでしたが、自由市場の価値を信じる保守であるならば、ぜひ議論すべきです。

 

 

民主主義国家が協力して民間投資を行う

──OPICは中国に対抗するだけの資金を集めることができると思いますか。

テイラー氏: これは無限の財源を意味します。日本経済、アメリカ経済、ドイツ経済、オーストラリア経済、インド経済。これらそれぞれの投資能力が統合されるのです。一帯一路に対抗するのに十分以上の資金が集まります。

 

問題は、どうやって投資を促すかです。

 

全権力を掌握した国家主体を持っていれば、「我々にとって、これこそがお金を使う方法なのだ。お前たちに選択はない」と国民に命じることができるでしょう。しかし、そうした国家を持っていないのであれば、議論を促し、「なぜ我々はこれを行うのか」「なぜ民間企業による開発投資を鼓舞する必要があるのか」「なぜこれは重要なのか」ということを人々に理解させなければなりません。

 

(こうした民主主義国家が)協力して開発投資を行うことは、自由市場に基づく民主主義、自由市場の理想、そして私有財産の理想を促進するために重要なことです。

 

──OPICはどのようにインド太平洋戦略に関係しているのでしょうか。重なっている部分もあるように思います。

テイラー氏: そうですね。アイデア自体は重なっているでしょう。ただ、OPICはよりインフラに重点を置いたものになるはずです。

 

これは今起こらんとしている新しいコンセプトです。OPIC自体は1960年代後期から存在していましたが、トランプ政権のビルド法によって拡大されたのです。

 

 

トランプ二期目の「対中戦略」

──今年の選挙でトランプ氏が再選したら、中国との貿易戦争を続けると思いますか。

テイラー氏: トランプ氏が二期目に入った場合、米中貿易交渉において画期的な合意を達成することも考えられますが、たとえそうであったとしても、トランプ政権は他の様々な分野について中国への批判を続けるでしょう。

 

一例として、中国通信大手のファーウェイについて見てみましょう。

 

欧州諸国の政府が自国の電子通信にファーウェイの参入を許可していることを批判することは、トランプ政権の政策基盤となっています。また、北東アジアの同盟国に向けても、自国企業がファーウェイと取り引きするのを許可していることに対し批判することも、同じくトランプ政権の政策基盤となっています。

 

こうしたスタンスは今後も続くのではないかと思います。

 

もし、関税における交渉で何か画期的な合意がなされたとしても、米中間の摩擦やワシントンから中国政府に向けた批判は続くでしょう。

 

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