止まらぬ武漢肺炎 共産主義体制はパンデミックに"免疫"なし!? 【澁谷司──中国包囲網の現在地】

止まらぬ武漢肺炎 共産主義体制はパンデミックに"免疫"なし!? 【澁谷司──中国包囲網の現在地】

 

《本記事のポイント》

  •  事実言えぬ市民と、認めぬ当局、そして感染隠蔽の"前科"
  • 「武漢肺炎」はSARSより深刻
  •  日本はインバウンドどころではない

 

2019年末、湖北省武漢市の海鮮市場から、突然、「新型コロナウイルス(以下、武漢肺炎)」が発症した。同問題が深刻化していく経緯を見ると、共産党体制"らしさ"が見え隠れする。

 

 

事実言えぬ市民と、認めぬ当局

最初の時点で、一部の医師は、「武漢肺炎」が普通の肺炎ではなく、2002~03年に猛威を奮った「重症急性呼吸器症候群(SARS)」に近いことがすでにわかっていたという。ところが、中国当局に逮捕・拘束されるのを恐れて、言い出せなかったらしい。

 

事態が深刻化する中で、当局の情報の出し方にも問題があった。当初、「ヒト→ヒト感染」を否定していたが、ついに隠し切れなくなり、一転、「ヒト→ヒト感染」を認めた。

 

その深刻度を認識したのか、または、国民に認識させる覚悟ができたのか、当局は1月23日、何の前触れもなく、武漢市や周辺都市を全面閉鎖。武漢駅や飛行場、高速道路を封鎖し、自動車まで規制した。

 

同日、習近平・国家主席が突然、「武漢肺炎」に関する発表を行った。だが、習主席は、その発表の中で「武漢」という都市名に一切言及しなかった。そのため多くの武漢市民は、「我々は中央政府から見捨てられたのではないか」という疑念を持った。結局、人口1100万人の武漢市から、500万人が"脱出"したという。

 

 

感染隠蔽の"前科"

そもそも、中国政府が発表する被害情報は、まるであてにならない。

 

当局はSARS発症の際も、しばらく情報を隠蔽していた"前科"がある。

 

2018年8月以降、流行り始めた「アフリカ豚コレラ(ASF)」に関しても、何度も繰り返し、「中国はASFをコントロールしている」と言っていた。ところが実際には、まったくコントロールできておらず、ASFは中国国内31省・市全域に蔓延し、東アジアや東南アジアにまで拡散している。中国政府は初動対応を誤ったばかりか、初期段階で情報を隠蔽していた疑いさえある。

 

こういう体質は、中国共産党が重要視する"面子"によるのだろうか。大国として格好が悪いから、情報を隠そうとするのか。

 

あるいは、『孫子』で「敵を混乱させるために、偽の情報を流す」とあるのを"学び"、それを敵ではなく市民に対して行うことも、当然の"兵法"に見えて抵抗がないのか。

 

共産主義という独裁体制そのものに、情報を隠す癖があるのか。

 

 

意味をなさない感染者数発表

我が国をはじめとする国々やWHO(世界保健機関)は、中国政府が小出しに発表する数字を、逐一報道している。しかしそれらの数字は、"加工"されたものであり、ほとんど意味を持たない。

 

SNS上で、医療関係者の指摘する数字の方が、真実に近いのかもしれない。彼らの情報によれば、9万~10万人が感染しているという(15万~20万人説も存在する)。

 

仮に「武漢肺炎」の致死率が3%(4%説もある)だとすれば、感染者10万人のうち、3000人が死亡したか、今後、死亡する恐れがある。感染者が20万人ならば、その2倍の6000人となる。

 

 

今回はSARSより深刻

今回の「武漢肺炎」は、前回のSARSよりもたちが悪く、より深刻な結果を招く可能性が高い。

 

第1に、「武漢肺炎」はSARSと違って、潜伏期間中でも他人に感染する。つまり、平熱にもかかわらず、「ヒト→ヒト感染」を起こす可能性がある。

 

第2に、潜伏期間が最大10日だったSARSよりも長く、最大14日と考えられている。感染したかどうか自覚がない期間が長いため、当然、1人の罹患者が、病気を他人にうつす確率も高くなる。

 

第3に、肺炎という症状が発生しないで、熱が出ずに死亡するケースもあるという。

 

中国政府は前回SARSの際、どの地域も閉鎖まではしていない。だが今回は、数千万人を一定の地域に閉じ込めている。また、自国民に対し、1月24日から国内の団体旅行を禁じ、27日からは、中国人の海外団体ツアーも禁じた。SARSの時は、団体旅行禁止措置など取られていない。

 

政府もその深刻さは、よく分かっているようだ。

 

 

インバウンドどころではない

我が国の安倍政権は、この「武漢肺炎」に関して、他国や他地域と比べ、危機意識がきわめて薄弱である。

 

武漢から訪日する中国人観光客に対して、何の規制も設けず、入国させた。そのため、武漢からやって来た4人の中国人が「武漢肺炎」を日本で発症している(1月27日現在)。

 

無論、日本においてはインバウンド・ビジネスも大事だが、日本国内で「武漢肺炎」が蔓延したら、それどころではなくなるだろう。

 

 

拓殖大学海外事情研究所

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~2005年夏にかけて台湾の明道管理学院(現、明道大学)で教鞭をとる。2011年4月~2014年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界新書)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

 

 

 

【関連書籍】

『愛は憎しみを超えて』

『愛は憎しみを超えて』

大川隆法著 幸福の科学出版

 

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2020年1月21日付本欄 民主主義を決して受け入れない中国共産党 【澁谷司──中国包囲網の現在地】

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タグ: 澁谷司  拓殖大学  武漢肺炎  SARS  新型コロナウイルス  隠蔽  致死率  インバウンド  

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