26日発売の保守系の月刊誌「WiLL」(ウイル、2019年9月号)が、ユーチューブで幸福の科学の誹謗中傷を続ける大川宏洋氏と、ユーチューバーのえらいてんちょう氏の対談記事を掲載した。

記事の掲載は、前月号に続いて2回目となった。

宏洋氏は、父である大川隆法・幸福の科学総裁のことや、自身の幼少期・学生時代の思い出を語っている。だが、前月号同様、教団の社会的評価を下げようという悪意に満ちた「嘘」が並ぶ。

メディアを使って繰り返し嘘をつく宏洋氏の罪が重いのはもちろんだが、なぜこのようなレベルの低い話を、WiLL誌がわざわざ掲載する必要があるのか、と首をかしげたくなる内容だ。

総裁は常に宏洋氏をかばっていた

例えば、宏洋氏には子供のころ、身の回りの世話をしてくれる秘書がついていたが、記事ではその秘書から「殴られる」などの暴力を振るわれたとしている。

だが、幸福の科学広報局によると、実際は、仲の良い女性職員から冗談で、「今度、悪さをしたら、お尻ペンペンよ」などと言われて軽いお仕置き程度の行為があったに過ぎず、「暴力」と呼ばれるべき行為はなかった。

また宏洋氏は記事の中で、自身が中学受験に失敗した後、「両親は毎日責任のなすり付けでケンカをするようになりました」と話し、総裁が学歴主義で凝り固まっているかのような誤解を与えている。

事実としては、当時、実母は、宏洋氏が第一志望に落ちたことを許せず、廃嫡すると言い出した。そこに、総裁が割って入り、「社会人になってからできるようになる人もいるので、そんなに簡単に決めるべきものではない」と説得した、というものだ。

感情的になりやすかった実母が、宏洋氏に強くあたり、それを総裁がかばうという構図は、さまざまな局面で起きていたという。

「こんにゃく話」もやっぱり嘘

宏洋氏の嘘の極めつけは、中学2年生くらいのときに、性的処理の方法として「こんにゃく」を教えられたという話だ。

記事では、総裁が学生時代にやっていたものを宏洋氏にも勧めた、ということになっているが、やはりこれも嘘だ。

実際は、宏洋氏が成人雑誌を持っていることを当時の母親が知って激怒した。これをなだめるために、総裁が彼女に対し、年頃の男の子の事例として学友から聞いた話をしたところを宏洋氏が聞いていた、というのが事実である。

宏洋氏は「こんにゃく話」をユーチューブでも発信しており、"お気に入り"のようだが、明らかに総裁の社会的信用を貶めるねらいがある。

この他にも、幸福の科学広報局は、記事の中で宏洋氏が語った嘘について、一つひとつ丁寧に反論している(同広報局HP「 月刊『WiLL』9月号 大川宏洋氏対談記事 『大川隆法家の秘密』に反論する 」参照)。

事実として押さえるべきは、2015年、宏洋氏が自身の要望で大手建設会社から教団に復帰し、教団が運営する芸能事務所の社長に就任したにもかかわらず、仕事能力の不足や女性問題などを理由に、2017年に解任されたことだ。

宏洋氏は、その後ユーチューブで「大川総裁の長男」の肩書で教団批判を始め、「教団に嫌気が差して飛び出した」「教団を批判することには公益性がある」などの趣旨のことを語っているが、宏洋氏から教団に決別宣言したのではなく、あくまで教団からクビを申し渡されたのである。

本来、お世話になった多くの人々に謝罪をし、反省すべきだろう。

不誠実なWiLL誌は、保守の風上に置けない

これまで見てきたように、記事の内容はいずれもお粗末なものだ。しかし、なぜ保守系のオピニオン誌を代表するWiLL誌がこうした記事を掲載するのか、という疑問が残る。

宏洋氏がユーチューブや週刊誌・月刊誌を使って教団に対する嘘・誹謗中傷をやめないため、教団側は今年6月下旬、宏洋氏を懲戒免職処分にし、名誉を毀損しているとして東京地裁に提訴した。今回の記事は、こうした処分・提訴が行われた後に掲載されている。

つまり、WiLL誌は「確信犯」で、幸福の科学をねらい撃ちしていると見られる。

実は、宏洋氏の今回の記事と合わせて、WiLL誌には、幸福の科学広報局の反論文が載っている。一見、公平に扱っているようにも見えるが、同広報局によると、前回も今回も宏洋氏の記事が掲載されることは事前に知らされず、2回続けて「だまし討ち」のような形で、宏洋氏の記事が掲載されたという。

この手の記事では、過去においてゴシップ好きの週刊誌ですら、同広報局にコメントを求め、事前に記事が載ることを知らせてきたという。不誠実なWiLL誌は、保守の風上に置けないような品のないやり方をしている。

WiLL誌は「慰安婦の証言」にも似た「宏洋氏の証言」をそのまま載せている

ここまで書いてきて、WiLL誌が「宏洋氏」を使ってやっていることは、実は、同誌がもっとも嫌う「従軍慰安婦」や「徴用工」の問題と同じではないか、ということに気づく。

もちろん、同誌が指摘するように、慰安婦や徴用工の問題は「元慰安婦」「元徴用工」を名乗る人物が嘘をついているだけであり、日本軍の組織的な強制連行や奴隷労働のような事実はない。実際には、慰安婦の中で日本の将官以上の高給をもらっていた人もいたし、1000人の炭鉱員募集に対して、7000人の志願者が殺到したこともあった。いずれも立派な職業だった。

つまり、現在、元慰安婦、元徴用工の人々が語る「性奴隷にされた」「強制労働を強いられ、搾取された」などという「証言」は事実ではない。本人も真実が分からない中で、嘘をつき、日本を貶め、お金をもらおうとしている。

それを、朝日新聞をはじめとする左翼メディアが、日本のみならず、世界中に広めた。

WiLL誌も現在「元慰安婦」「元徴用工」にも似た「宏洋氏」の嘘について、教団側に裏取りもせず、「証言」をそのまま、事実であるかのように載せている。これは、慰安婦報道における朝日新聞と同類ではないか。

こうしたやり方が正しいと信じるならば、慰安婦や徴用工のほか、南京大虐殺の問題でも、常に被害者の「証言」を載せるべきだろう。

幸福実現党を貶め、安倍自民党を勝たせようとした!?

さらにWiLL誌は参院選前、5月下旬発売の7月号に安倍晋三首相の対談、6月下旬発売の8月号に菅義偉官房長官の寄稿を載せ、その号には合わせて、宏洋氏の1回目の幸福の科学批判記事を載せている。

8月号においては、6月26日の発売日に新聞広告を掲載。その後も少なくとも、参院選公示日直後の7月6日、投開票日直前の同18日に広告を打つという力の入れ様だった。

保守政党・幸福実現党の母体である幸福の科学への社会的信用を貶めることで、同じ保守の安倍自民党から票が流れることを止め、自民党を勝たせようとした、と勘ぐられても仕方がないだろう。

保守のオピニオン誌として良識ある人々の支持を得続けたいのであれば、WiLL誌は慰安婦や徴用工の「証言」と同レベルの宏洋氏の「嘘」の片棒をかつぐことをやめるべきだ。

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2019年7月4日付本欄 教団批判の奥にある宏洋氏の「欲望」 【宏洋氏の嘘を検証する(3)】

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2019年6月27日付本欄 嘘をつくことは「言論の自由」ではない 【宏洋氏・保守雑誌「WiLL」の嘘(3)】

https://the-liberty.com/article/15955/

2019年6月26日付本欄 幸福の科学が大川宏洋氏を懲戒免職処分

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