2019年3月号記事
地域シリーズ 新潟
秘かに進む"新潟買収"計画
中国総領事館の移転はなぜ危ない?
日本一のコメどころ・新潟に、巨大な中国総領事館を建てようと水面下で動く中国の狙いとは。
(編集部 小林真由美)
新潟の「霞が関」にあたる官庁街の一等地に、国会議事堂よりも大きな「中国総領事館」が建てられたら―。
1月に訪れたのは、新潟県庁近くの4500坪(約1万5000平方メートル)の民有地。中国政府は2011年ごろ、この土地を購入する契約をした。現在は4階建て・424坪の賃貸ビルに入居している駐新潟総領事館をここに移転し、自前の巨大な総領事館を建てようとしている。
地元住民に聞くと、「もう7年ぐらい前の話」「すでに中国政府の土地買収問題は終わったと思っていた」という反応だった。
しかし 中国は、新潟に自前の総領事館を建てることを諦めてはいない。この計画に関して、新たに2つの動きが見られた。
一つ目は18年10月、総領事館の移転を推進していた中原八一氏が新潟市長に選ばれたことだ。
中原氏は12年に参院議員としての国会質問で、「新潟県は中国領事館建設に反対していない。外務省が仲介して、ぜひ進めていただきたい」と対応を迫っていた。中原氏の市長任期中に、同計画が動く可能性が高い。
新潟産コメ輸出再開の背景
もう一つの動きは、同じく18年10月、安倍晋三首相の中国訪問中に起きた。26日付新潟日報は、「中国関係者は駐新潟中国総領事館の移転に向けた理解を水面下で求めている。その際、新潟側の関係者が禁輸措置についての善処があれば、日本の対中感情が好転する可能性がある旨を伝えた」と報じている。
実際に中国政府は11月末、約7年ぶりとなる「新潟県産コメの輸入再開」を発表。新潟県民はこれを歓迎したが、その背景で、巨大な中国総領事館の建設が一歩前進しているとしたら―。
新潟で進む中国政府の動きを注意深く見ていくと、対日工作戦略の正体が見えてくる。
ノンフィクション作家 河添恵子氏インタビュー
新潟市議 深谷成信氏インタビュー
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