11月中旬にパプアニューギニアで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は、首脳宣言を採択しないという異常事態のなか閉幕しました。

首脳宣言を採決できなかったのは、アメリカと中国が通商政策をめぐって対立したためです。アメリカのマイク・ペンス副大統領と中国の習近平国家主席は17日、APECの関連会合でそれぞれ演説。ペンス副大統領はこう強く訴えました。

「明確にしましょう。アメリカは公平、互恵主義、主権尊重に基づいて、中国とよりよい関係を模索しています。(中略)中国は、近隣国の主権を尊重することを選び、自由で公平で互恵的な貿易を受け入れ、人権と自由を守れば、私たちのビジョンである『自由で開かれたインド太平洋』の中で、名誉ある地位を得られます」

ペンス氏は、「中国は他国の主権を尊重していない」「自由で公平で互恵的な貿易をしていない」「人権と自由を守っていない」と批判したわけです。

ペンス氏は10月に強硬な対中政策への転換を宣言した演説を行い、世界を驚かせましたが、APECの演説も興味深い内容でした。