憲政記念館で講演をする元イスラエル大使のコーヘン氏。

《本記事のポイント》

  • 元イスラエル大使のエリ・コーヘン氏が出版記念講演を行った
  • 2000年にわたって、信仰、民族、国土が続く日本は「神国」だという
  • 時代とともに現れ方は変わるが、信仰、民族、国土という「日本道」は変わらない

元イスラエル大使のエリ・コーヘン氏がこのほど、著書『元イスラエル大使が語る神国日本 NIPPON DO』の出版を記念した講演を、東京都・憲政記念館で行った。会場には多くの聴衆が詰めかけた。

講演に先立ち、居合や空手を修練するコーヘン氏が演武を披露。紋付き袴に身を包んだコーヘン氏が演武を行い、聴衆は息をのんで見守った(下画像)。

講演の内容は、出版本に関連して、「アウトサイダーとしての視点で発見した神国日本」。コーヘン氏は、日本が「神国 (holy land)」であり、母国であるイスラエルと非常に似ていると考えている。その類似性は3点に集約されるとし、次のように語った。

「私たちユダヤ人が、長い間放浪していた間にも、ユダヤ人としての統一性を保ってきた理由は3つあります。統一性を支えてきた『黄金の三角形(golden triangle)』があるのです。三角形の頂点に当たる一番目は、ユダヤ教や伝統、文化。二番目が、イスラエルという民族。三番目が、イスラエルという土地です」

「世界の国を見渡してみると、どうでしょうか。例えばエジプトはとても古い国ですが、民族が変わっています。ローマもギリシヤもイギリスも、民族が変わっています。中国もそうです。

日本だけが、(イスラエルと同じである)『黄金の三角形』を持っています。(一番目は)日本語や伝統、天皇陛下というご存在、(二番目は)日本民族、(三番目は)日本列島という国土です。(中略) 日本には色んな問題がありましょうが、イスラエルと同じ大切にすべき三角形をずっと保っています。

私はこれを『日本道』と呼びたい。武士道もとても大切なものであり、武士道はこの三角形の上に成り立つものです」

また、「現代日本にはそうした精神性が失われている」と危惧する声に対して、コーヘン氏は「昔とは異なった形で日本人の心の中に残っている」と切り返した。その実例として、東日本大震災の際に、声を荒げず列に並んで配給を待っていた日本人の姿などを挙げた。

そのほかコーヘン氏は、神社や祭りにはイスラエル由来と思われるものが散見されることを指摘し、古代のイスラエル人が日本列島に訪れていた可能性にも言及した。

講演後には、ジャーナリストや女優として活躍し、予備自衛官でもある葛城奈海(かつらぎ・ゆみ)氏との対談も行われ、会場は大いに盛り上がった。

【関連記事】

2018年5月14日付本欄 訪日外国人の憧れは「お・も・て・な・し」と「お・て・あ・ら・い」

https://the-liberty.com/article/14449/

2014年12月号 イスラム国 サダム・フセインの呪い スッキリわかる中東問題【前編】 Part2

https://the-liberty.com/article/8604/